姫路城 -関西白鷺行 Vol.03-

大阪城での梅林の撮影はあっという間に終了した。帰りの飛行機は予約変更の聞かない特便割引であったため、飛行機の時間を繰り上げると言う訳にはいかない。いきなり空いた5時間あまりの時間をどう過ごそうかと考えた結果、以前から機会があればと思っていたところに行くことにした。それが白鷺城こと、姫路城である。大阪中心部から快速を使って行けば往復に要する時間は3時間ほどである。現地で1時間ほど観光しても、5時間あれば充分に思えた。

そこで環状線に飛乗り大阪駅で神戸線快速に乗換え、姫路に向かった。道中に大きなトラブルもなく、15時過ぎには姫路に到着する事となった。小生は国宝三城を見学した事がなかった事もあり、その段階でかなり胸が高鳴っていた。そんな期待を胸に急ぎ足で姫路駅を出て、姫路城の大手門をくぐった所で愕然とする光景に出くわす事となった。

白鷺と称えられた美しい天主が目に入るはずであったのだが、それがないのだ。代わりにあったのは美しさとは対極にある無骨な、鉄製の巨大な足場とそれを覆う養生幕であった。小生が訪れた時、姫路城は修復工事の真っ最中で天主には巨大な足場が築かれその姿を見る事ができなくなっていたのであった。事前の確認が足りなかったと言えばそれまでだが、その光景には大きく落胆をせざるを得なかった。
※後で確認したところ、修復工事は2015年3月まで続くようです。
(→姫路市のサイト)

大きく落胆したものの城めぐりのポイントは天主のみではない。むしろ築城当時の天主など残っていない城の方が圧倒的なのだと思いなおし、(天主が見れないなら少しは割引けと思いながら)入場券を買い中に入ることにした。姫路城の詳細については専門の文献に譲るとして、小生訪問時の姫路城の展示は城の敷地を取囲む、渡櫓を歩きながら回るようになっている。当時の城が要塞であったことを指し示す遺構がたくさん残り、歴史的好奇心を喚起するには充分な物となっている。各所に展示されている資料も見どころ充分なものが多く、あっという間に1時間以上の時間を過ごす事となった。

天主が見れないのはやはり残念ではあったが、歴史の息吹を感じるには充分なものであり、世界遺産にも指定されている姫路城の凄さを感じた思いであった。

姫路城 2014

期待を胸にこちらの大手門をくぐったのですが・・・

姫路城 2014

広がっていたのはこんな光景。愕然としました。

姫路城 2014

こちらの櫓(やぐら)の壁を見ても姫路城の美しさは実感できます。

姫路城 2014

こちらの櫓から中に入ります。見学は城の敷地の角となる所に建てられている櫓と、櫓と櫓をつなぐ長い百間廊下(ひゃっけんろうか)と呼ばれる渡り廊下を通ることになります。


姫路城 2014

言葉だけでは分かりにくいかもしれないので、衛星写真で。写真で「櫓」と書いたのが角々に建つ建物それを結ぶ渡り廊下が百間廊下です。有事は城防衛の最前列となりますが、平時は住居となっていたようです。
※画像クリックで拡大表示します。

姫路城 2014

百間廊下の中はこんな感じです。その名の通り長い廊下が続きます。

姫路城 2014

壁のいたるところにはこんな穴が、攻められた時に鉄砲で迎撃するための穴ですね。

姫路城 2014

百間廊下に面する部屋は展示室になっており、各時代の文献、瓦等が築城方法と共に展示されています。

姫路城 2014

播磨藩主・本多忠政へ嫁いだ徳川家康の孫娘、千姫が使ったとされる部屋が展示されています。他の部屋が板張りなのに対し、この部屋だけ畳張りでした。

姫路城 2014

ここで暮した千姫の様子が人形で再現されています。

姫路城

見学を終えたところでこんな天主の姿が見えるはずだったのですが・・・
※画像はWikipedia から転載

姫路城 2014

現在は修復工事中の為、こんな感じです。

8 responses on 姫路城 -関西白鷺行 Vol.03-

  1. 餌釣師 より:

    ありゃりゃ残念でしたね。
    MKさんとのあろうお方が事前調査に不覚を取ってしまいましたかぁ、らしくないですね(笑)
    この改修工事、国宝を傷つけない為にかなり特殊な技術を駆使しているらしく、建設業界ではかなり注目されてます。
    建築や土木系に学生が見学に行っているみたいですよ。
    そういう観点でいくと逆に面白かったかもしれませんね。

  2. 旅途愉快 より:

    姫路まで足を伸ばされたのですね。
    でも、新快速で行けばそんなに時間はかかりませんね。向こうは時間・料金でJR・私鉄が競合してますから。
    天守の改修工事は残念でしたね。でも、天守以外で楽しめたようなので良かったですね。

  3. あさと より:

    姫路まで快速で行かれたのですか?
    新快速の方がずっと早く付きますのに・・・
    しかし天守は残念ですね
    確かに随分すすけていましたからどうしようおないのですが
    マンションの建設現場のような感じです・・・

  4. ま~く より:

    餌釣師さん
    予定外に空いた時間でしたので、完全に思いつきでしたので
    不覚を取ってしまいました。
    後で人に聞いたところ工事用の足場に登って、どのように修復工事を
    しているのかと言う様子も見学できるようになっていた時期もあった
    ようです。私が行った時はそんな事もなくなっていましたが、そう言う
    方面に興味のある方は修復工事の様子を見るのも楽しいかもしれませんね

  5. ま~く より:

    旅途愉快さん
    片道1,500円ほどかかりましたから、意外と運賃が高いなという印象を
    受けたのですが、営業距離にすると80kmほどあるのでやはり
    運賃もそれなりになりますね
    天主は残念でしたので、いづれリベンジしたいと思います

  6. ま~く より:

    あさとさん
    私が神戸線に
    乗ってからは順調そのものでしたので「道中大きなトラブルもなく」
    とは書いたのですが、この日神戸線に乗る前は実は神戸線の
    ダイヤが乱れていたのです。ダイヤ乱れが発生している時は
    とにかく目の前にある列車で少しでも目的地に近付く
    事を是としていますので、来た電車に飛び乗ったのです。
    帰阪の際はダイヤが元に戻っていましたので、新快速で帰りました。
    以前の天主はすすけていたのですが。
    こうした修復工事を通じて綺麗な状態で後世に貴重な文化財を
    残していく事は大事ですが、私自身は少し残念な感じでした。
    門をくぐって最初に天主の姿を見た時は、なんであんなところに
    マンションを建てているんだろうと一瞬思いました(^^)

  7. いはち より:

    あら。まだ工事中でしたか・・
    私は改修前ぎりぎりに見に行きました。
    ぎりぎりすぎて入館するのに2時間待ちなので
    中には入らなかったのですが。
    今は空いていそうですね。

  8. ま~く より:

    いはちさん
    以前はそんなに混んでいたのですね。
    私が行った時は行列は皆無ですぐに入る事ができました。
    小雨交じりの天候だったせいかと思っていましたが、やはり
    修復工事中なので空いていたんですかね。
    黒田官兵衛関連の団体客が居ましたがそれもそんなに数は
    多くなかったです


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