ニュピ

中国、台湾の春節、タイのソンクラーン、ベトナムのテトなど、小生が訪問した経験のある国や地域では独自の暦によって新年を祝う国も少なくない。最近は足が遠のいているインドネシア・バリ島もそんなところのひとつである。

バリ・ヒンドゥー教独自の暦であるサカ暦の正月に当たるのがニュピで、今年は太陽暦の3月31日にあたる。この日は外出してはならず、働いてもいけない。また火器や灯火の使用もしてはならない日とされ、バリ島中が静寂に包まれる事になる。そのためン・グラライ国際空港も閉鎖となるし飲食店や商店も営業はしていない。これは外国人であっても例外はなく、不用意に出歩けば外国人でも身柄を拘束される場合がある。

ニュピに関する行事はニュピの3日前から行われるので、まさに本日(3月28日)から始まる。本日からニュピ前日(3月30日)のまでの間に、ムラスティと言う儀式がバリ島の各村で行われる。これは村の寺院に集まり、その御神体を皆で海に運び洗い清めると言うものだ。3日間のうちのどの日に行うかや、時間帯については村ごとに異なるが、多くの村では真夜中に村を出発し日の出とともに海での儀式を行う。そのため当日に海に通じる道路は各地からやってきた人たちで夜明け前から大渋滞となる

そして日本風に言えば大晦日にあたるニュピの前日になると、早朝から大人達は寺院、街中、自宅の清掃をしたうえで浄化儀式を行う。そして子供達は鍋や釜をカンカン叩いて街じゅうを回る。これはカンカンという音によって悪霊を追い払うとされ、その音は夕方まであちこちで聞く事ができる。

そして夕方になって始まるのが、ニュピ前日のクライマックスとなるオゴオゴと言う儀式である。オゴオゴでは悪魔の化身を表した人形を神輿のように台に乗せ、それをぶつけ合い悪霊を振り払うという儀式である。実際に目の当たりにした事がある人によれば、人形はユーモラスな物がある一方で、ぶつけ合う様はなかなかの迫力だと言う。
 (→オゴオゴの人形がどんなものかはこちら!

オゴオゴの儀式も終わり翌日になると、ニュピの日を迎えるわけだが、前述の通りこの日は人々は家の中で静寂の中で過ごすことになる。ニュピ当日に外出したり、食事をするところがなかったりと不便そうではあるが、一連の行事についてはいづれ機会があれば見て見たいと思わせるバリのニュピである。


GA2[1]

ガルーダインドネシア航空のバリ便欠航の案内。ニュピが関係するのはバリ・ヒンドゥーを信仰するバリ島だけですので、インドネシアの他の便は通常通りです。
※画像クリックで拡大表示します。


10 responses on ニュピ

  1. 鉄路迷 より:

    へ~。
    交通機関までストップしちゃうんですね。
    行くときは調べないといけませんね。

  2. 餌釣師 より:

    ネシアにはこんな行事があるんですね。
    なるほど、火も使えないから飛行機の離発着もできないと。
    久しくお見受けしなかったネシアネタですが、もしかしらこれは前振り?
    ダイビングのライセンスも取ったし、GWも近いし(笑)

  3. いはち より:

    あら。交通機関までストップする徹底のしようですか。
    うかつに春休みに遊びに行ったら大変ですね。
    気を付けましょう。って行けないけど。

  4. あさと より:

    こういう風習が残ってることは大変すばらしいことです
    よく
    オリジナルな慣習とグローバルな立場をわけて
    2制度のような感じにすることが
    スマートなやり方だと思ってしまいがちですが
    ことが宗教に絡みますので
    一筋縄にはいかない問題なのでしょうね

  5. 旅途愉快 より:

    全てがストップしてしまうのですね。
    このような風習のない日本人がその時に行ってしまうと大変な目に遭いそうです。
    前もって調べてから行く必要がありますね。

  6. ま~く より:

    Dr.鉄路迷さん
    はい、行くときは注意しなければなりません
    今年のニュピは3/31ですが毎年同じではありませんので
    注意が必要です

  7. ま~く より:

    餌釣師さん
    インドネシアの大多数はイスラム教を信奉する人たちでインドネシアの
    国自体も世界有数のイスラム教国家ですが、バリ島だけは独自の
    バリヒンドゥーを信仰していますのでここだけは特殊です。
    残念ながら前振りということではありません。
    Cカードも取りまし、行きたいところではありますがそれよりは
    事務手続きがあるので、別な国が優先となりそうです

  8. ま~く より:

    いはちさん
    この時期は日本では春休みに当たりますので知らずに行って
    ニュピに当たる人もいるかもしれないでしょうね
    事前に知識があってわざわざその時期に行く人なら良いですが
    知らずに行くと、苦痛でしかないかもしれません

  9. ま~く より:

    あさとさん
    バリ島も隣の島のジャワ人が流入してきてだいぶ変わったところも
    ありますが、バリ人が信仰を生活の中心にして暮らしているというのは
    変わらぬ姿です。バリらしさの所以でもありますので変わって
    欲しくないと思っています。

  10. ま~く より:

    旅途愉快さん
    バリ島内には鉄道もありませんので公共交通機関と言っても
    乗合バスかタクシーくらいですので、これらが止まってしまうと
    完全に移動もできなくなります。
    ホテルの従業員も最低限なサービスしか提供しませんので注意が
    必要です


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