米ホテル大手スターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイド(以下、スターウッド)は2016年4月8日に開催された株主総会で、同業大手のマリオット・インターナショナル(以下、マリオット)による買収提案受け入れを決定した。
紆余曲折を経た合併交渉は、これで一応の決着を見た形となります。もともと、両社は2015年11月16日に、マリオットが122億USドルでスターウッドを買収することで合意していました。ところがこれに中国の安邦保険グループ(以下、安邦)が割って入り、スターウッドに対しマリオットを上回る金額の買収提案を行います。これによってマリオットと安邦の買収合戦に発展することとなりました。
最終的にはマリオットが136億USドルの買収提案を行ったところで、安邦が買収レースから降りマリオットによる買収が確定することとなりました。現在は米国とカナダ当局による独占禁止法の事前審査を開始しており、順次欧州などの米国域外の地域で審査を行い今年半ばにも正式に合併が完了する見込みということです。
世界のホテル業界の市況は以下の表のようになっています。(※2014年のデータ)
今回の買収により、部屋数では現在1位のヒルトンを抜き世界最大のホテル企業が誕生することになります。またホテル数でも5,500を超えこちらもヒルトン、インターコンチネンタル等を抜き世界トップレベルの規模を誇ることになります。
今回の買収決定を受け、4月9日にスターウッドはSPG会員に向けて以下のようなメッセージを送っています。
スターウッドホテル&リゾートはマリオット・インターナショナルと手を携え、世界100ヶ国以上で計5,500軒のホテルおよびリゾートを擁する世界最大のホテル企業となることを約5か月前に皆様にご報告いたしました。この度両社の株主よりこの合併契約の承認を受けたことをご報告申し上げます。
最初のご報告以降、会員様より今後のスターウッド プリファード ゲスト(Starwood Preferred Guest®、SPG®)に関する多数のご質問をいただいております。近日中に、SPGとマリオットリワード(Marriott Rewards®)との統合により、より充実した特典をお客様にお届けするための準備を開始いたします。この過程において以下を含めたさまざまな事項を検討するにあたり、お客様のご意見を大切にしたいを考えております:
• ホテルおよびリゾートご滞在中、または、ご滞在以外において、お客様にご期待いただいているユニークな体験、特典、リワードをどのように引き続きお届けしていくか。
• どのようにスターウッドとマリオットの合併によりご利用いただけるようになるかつてない幅広いホテル、リゾート、およびご滞在先を最大限に活用し、お客様に新しいご優待や特典をお届けしていくか。
• スターポイント(Starpoints®)残高、ライフタイム ステータス、会員レベルなど、現在お持ちのプログラム通貨および会員資格の価値を保護する方法は?
これらの複雑かつ重要な問題への答えを出すには多くの時間が必要となります。新しいプログラムへの統合は2018年を見込んでおり、それまではSPGは引き続きSPGとしてサービスの提供をしてまいります。一方で、私どもはお客様にさらに素敵なホテル体験をお届けするため、両プログラムの架け橋を築く方法を積極的に探ってまいる所存です。
ユーザにとっては、合併により会員プログラムがどうなるかが気になところですが、少なくとも2018年までは旧会社のプログラムの内容が、そのまま併存することとなるようです。巨大組織の統合だけに時間がかかるものと思われますが、具体的な統合方法については今後も紆余曲折があることが予想されます。
現在はIntercontinental系のPriority Clubをメインに活用していた小生も、密かにSPGへの乗り換えを検討していただけに、その動きは注視していく必要がありそうです。
とうとう主たる答えが出ましたね
SPGがメインの会員である私にとってもこれは
とても気に病んでいたのです
こちらにもメールが来ました
気持ち的には
中國の物にならずにマリオットグループに入ってほしい・・・
サービスの面等においてそういう気持ちだったんですが
色々細かく考えてみて中国の投資会社に買収されて
スターウッドだけが独立していてくれた方が良いかな・・・
そうも思っていました
理由はSPGのシステムおよびステイタス基準と
マリオットグループのものと違いがあるかんです
それをどう調整するか・・・・・
SPGの文章にも出てますよね
マリオットのステイタスやリワードの方が
SPGより少し渋いので
私の今のままだとゆくゆくはステイタスが落ちて
リワードも少なくなるのではと危惧しているわけです
あさとさん
11月に最初の発表があってから一旦白紙になったりといろいろありましたが、ようやく落ち着くところに落ち着いたという感じですね。私の感想としては中国資本に渡らず良かったと思っています。
両社のリワードの差をどうするのか苦慮している様子は、メールの文面からもにじみ出ていますよね。会社としては基準が低い方に合わせたいところでしょうが、そうするとユーザが離反する可能性がありますので匙加減が難しいところですね。2018年までにと随分と先の期日を提示してきたものですが、問題の難しさを表した結果でしょうね
当初は次回の訪泰でPCRの保有ポイントを全部使いきって、その後にSPGに移行と言う事を考えていましたが、当面は現状維持と言う事になりそうです。現段階ではリワードがどのような決着を見るのか、様子を見守りたいと思います。
IHGなんかは現在でも、Holiday Inn 旧来のリワードであるPriority ClubとIntercontinental のリワードであったIntercontinental Ambassador(旧名:Six Continents)が併存しています。MarriottとStarwoodsもそんな風になるのかもしれませんね。