関東地方の梅雨明けが発表された数日後のある夜、自宅のメインPCのトラブルに遭遇し2週間ほどPCが使えなくなるという事が発生しましました。本日はその時の話を書いてみたいと思います。
不具合の症状
通常であればPCの電源を入れるとBIOS(※1)の画面が表示され、その後に光学ドライブ、HDD、RAIDコントローラを認識していく様子が画面に表示されます。しかしその日は電源を入れると電源ランプは点くものの、画面に何も表示されないまま2秒ほどで電源が落ちてしまいます。そして勝手に再び電源ONになって2秒後に落ちるという事を延々と繰り返すことになりました。(以下、この症状を『無限再起動』と呼ぶことにします)
初期考察
BIOS起動前に落ちていることから、ハードウェア系のトラブルであることは間違いなさそうです。動きを見ているとHDDや光学ドライブと言った電力をたくさん必要とする機器の動作前に落ちますので、電源ユニットになんらかの不具合が発生したのではないかとの仮説に至ります。そこでAmazonで電源ユニットを物色し7,000円ほどのものを即決で注文しこの日は寝ることにしました。これまでの電源ユニットの出力は650W でしたが、今度のものは750W となりましたので容量的にも今までより余裕ができるはずです。
電源ユニット交換
翌日、仕事から帰ると注文の品物が届いていました。そこでさっそく、電源ユニットの交換作業を行います。今までの電源ユニットよりも多いコード類に苦戦しながらも、交換作業を無事済ませます。後はスイッチを入れれば、元通り使えるようになる、ハズでした。
しかし意に反して結果は、再び無限再起動を繰り返してしまいます。どうやら電源ユニットが問題ではなかったようです。
真犯人は誰だ!
電源ユニットが原因でないことは分かりましたが、次に疑ったのはマザーボードの不具合です。しかしマザーボードの不具合となると話は厄介です。現在のPCを構築したのは2011年の事です。その間にCPU(※3)メーカのIntelはマザーボードにCPUを取り付けるソケットの規格を何度も変更しています。そのため、今売られているマザーボードを買ってきても、現在使用しているCPUは取り付けられずCPUも変更する必要があります。CPUはPCの性能を決める重要部品という事もあり、値段も張るパーツなのです。また最新のマザーボードの場合メモリの規格も現在のPCのDDR3からDDR4に変更となり流用できません。結局、新しくPCを1台組むのと変わらないことになってしまうのです。
新PCへの妄想
現行マシンのCPUであるCore i7 2600K(Sanday Bridge)の後継モデルとなっているのは、Core i7 7700(Kaby lake)と言うモデルになります。以前は25,000円ほどで購入したものですが、現在は円安の影響もあって34,000円くらいの値段がします。これをベースにAmazonでパーツを物色しカートに入れた結果、CPU、マザーボード、メモリの三点で57,000円ほどの金額になってしまいました。できれば50,000円以内に収めたいと思っていましたので、CPUをCore i5に落とそうかな等とも考えながら、この日はカートに入れたまま就寝する事にしました。
初心に帰って
翌日になりある鉄則を思い出します。それはこういうハード系のトラブルに遭遇した際には最小構成で起動できるか試してみよという事です。小生のPCにはHDDが6台、DVD-RWドライブが2台、拡張スロットにはグラフィックカード、RAIDコントローラをつけています。これを最小構成にして起動できるのであれば、マザーボードは問題ないという事になります。そこでもう一度、パーツ一つ一つを試してみる事にしました。
原因判明
最小構成とする前に手始めにメモリのチェックをしてみる事にします。PCには4Gのメモリが4枚装着していますが、このうちの2枚を外した状態で電源を入れてみます。すると見事に無限再起動から脱し、起動することができたのです。どうやら問題はメモリだったようです。後は外した2枚のうち、どちらのメモリがダメなのかを確認します。まずは外したうちの一枚を元に戻しスイッチを入れると、またもや無限再起動の症状が発生します。そこで残ったメモりとダメだったメモリを交換すると、今度は正常に起動します。これによりついに起動を妨げていたのがメモリだったと判明したのでした。
一難去ってまた一難
問題となったメモリを外したことで、無限再起動から脱したものの今度はWindowsの起動でトラブルが発生します。Windowsを起動している途中で、「Your PC ran into a problem that it couldn’t handle, and now it needs to restart.」と言うメッセージが表示され処理が止まるのです。何度トライしても同じ状況が続きますので、仕方がなくWindowsを再インストールすることにしました。
Windows10のDVDをセットした状態でPCを起動し、インストール先のHDDを指定しインストールを開始します。するとまたもや途中で「Your PC ran into a problem that it couldn’t handle, and now it needs to restart.」とメッセージが表示されインストールを完了することができません。やはりハード絡みで何か問題があるようです。そういう思いとともに、再びPC再構築をしないとならないかと言う思いが強くなってきます。
この時点で問題が発生してから5日が経過しています。
やはり原因は・・・
最後の手段として最小構成でのインストールを試みます。まずは接続しているHDDをWindowsをインストールするものだけにします。そして拡張ビデオカードも取り外しオンボードのビデオに切り替えます。しかしその状態で試してみてもやはり、Windowsのインストールが途中で止まってしまいます。
そこで今度はメモリを抜いてみます。すでに4G×4本であったメモリが4G×3本になっていますが、無限再起動の原因となったメモリと対になっていたメモリを外し4G×2本としてみます。すると今度はWindowsのインストールが最後まで完了することができました。結局、メモリ2本がダメだったようです。こちらの2本は現在のPCを組んだ時に一緒に購入したものでした。
正常運用へ
不具合の原因となったメモリ2本を外した結果、現在は正常に動作しています。しかしWindowsを再インストールしたので、アプリケーションはまだすべてをインストールできていません。こちらは順次復旧させていく予定です。
(※1)
マザーボード上のROMに搭載されているプログラムで、OSが起動するより前にHDD、メモリ、拡張カード、マウス、キーボードと言った接続されている機器の情報を収集しOSに引き渡している。
(※2)
コンピュータの電子装置を構成するためのメインとなる電子回路基板。PCではマザーボードにCPU、メモリ、HDDと言った基幹部品を接続している
(※3)
中央処理装置。コンピュータにおける中心的な処理装置でコンピュータの頭脳に当たる。
この辺のことはよく理解できました(笑)
同じことをスマホで説明されると極端に理解ができなくなります・・・・
何はともあれマザーボードの上の回路やチップが原因でなくてよかったです
多分同じことが起こったら
私の場合は新PCへ買い替えるように
理由づけを始めるでしょうね
面倒だから・・・・・・・でしょうか
あさとさん
マザーボードの何処かがダメになってしまうとPCをほぼ丸ごと交換になってしまうので、そうはならなくてよかったです。
実は私も途中でPCのパーツを調べてながら理由づけをしていました。ただ半年ほどするとIntelから格段に進歩したCPUが出そうというのが思いとどまる一因になりました。とはいえ、そろそろ買い替えが必要かもしれないとも思っています
トラブルの原因究明は一発であたりがつかなければ、可能性のあるものを1個1個じみちに潰していくのが結果的には解決への早道ですよね。
これで原因がわかりトラブルシュートできたときの爽快感は何にも代えがたいモノがあるのもご存知だと思います。
ただ、悲しいのはこの手の代物のトラブルシュートは判りにくいため、他の方と感動を分かち合えない事ですね(笑)
餌釣師さん
この手のトラブル対応は解決しても以前と同等以上にはなりませんので、私の場合はあまり喜びには浸れません。問題を克服した結果、性能アップや機能向上となれば達成感もあるのですけれど・・・
おっしゃる通り、ほかの人と分かち合うことはできない作業ですね。家人もなんかやってるなと言う感じでしか見ていませんでしたし、PC直ったよ、と言ってもふーんでお終いでしたし