二輪車の新排ガス規制、EURO5適用まで半年

以前にバイクの排気ガス規制に関する話を書いたことがあります。

原付一種がなくなる日?
日本独自の規格である、50㏄の原動機付自転車(以下、原付一種)がなくな...

おさらい的になりますが現在の二輪車の排気ガス規制(EURO4)と、令和2年規制(EURO5)について確認しておきます。

適用車種 一酸化炭素
(CO)
炭化水素
(HC)
窒素酸化物
(NoX)
非メタン
炭化水素
(NMHC)
粒子状
 物質 
(PM)
規制値(単位:g/km)
平成28年規制
(EURO4)
クラス1
(50㏄~125㏄相当)
1.14 0.3 0.07
クラス2
(250㏄相当)
1.14 0.2 0.07
クラス3
(400cc以上)
1.14 0.17 0.09
令和2年規制
(EURO5)
全クラス 1.00 0.1 0.06 0.68 0.0045

以前に取り上げたときは、2020年のどの時期に新規制が適用になるのか決まっていませんでしたが、昨年のうちに以下のスケジュールで適用となる事が決まっています。

  • 新型車(全車種):2020年12月
  • 継続生産車(原付1種を除く):2022年11月
  • 原付1種の継続生産車:2025年11月

以前の記事ではEURO5に、原付1種が対応するのはコスト的に厳しいので、2020年に原付1種の生産が終わるのではと思っていましたが、とりあえず2025年までは延命する事となりました。またエンジンやマフラーなどの劣化を検知するOBD II(車載式故障診断システム)搭載の義務も、原付1種については現段階では適用除外となっています。

とは言え、いつまでも新規制に対応しない製品を作るわけには行きませんので、二輪メーカは何らかの対応を迫られる事になります。以前は原付1種はEV(電動)バイクに置き換わるのではと書きましたが、ここ数年のメーカの動きは鈍いものです。

今年4月にホンダが電動ビジネススクーター「ベンリィe:」の発売したのが唯一と言って良い電動バイク化の動きです。しかし販売は法人販売のみで、価格は約75万円とガソリン車の「ベンリィ」の2.5倍となっています。これでは一般に普及するには、程遠い状態です。小生自身は原付1種からは卒業したものの、この分野のバイクの動向は気になるところです。

4 responses on 二輪車の新排ガス規制、EURO5適用まで半年

  1. あさと より:

    よくわかりませんが
    原付きは炭化水素の排出が多いのですね
    単純に小さいから全て低いわけではないのは
    不思議ですね

    1. ま~く より:

      あさとさん

      排気ガスの対策を全くしなければ、排気量に比例して有害物質の排出量は多くなるはずです。排気量の少ない原付1種でEURO5対応のネックになるのは「価格」と「パワー」です。

      現在、原付1種のバイクは安いものですと15万程度で新車が売られていますが、EURO5に対応し開発費を製品に転嫁すると20万位価格が上がると言われています。ユーザとして得られる効果は変わらないのに価格だけ2倍以上になったバイクを買う人はいないでしょう

      またEURO5に対応することでエンジンパワーが犠牲になることも想定されます。125㏄以上のバイクではフルにアクセルと開けて走る事は少ないですが、原付1種の場合は常にフルにアクセルと開けて走る事が多いです。そのため少しでもパワーロスすると走りに対する影響は大きいんです。

  2. いはち より:

    え?原チャリが20万円に・・
    私はこの手のバイクは中古でしか乗ったことがないので5万~8万円で
    乗っていました。
    新車を買うのは清水の舞台から飛び降りる・・感じになりますね。
    やがて旧車が乗れない時代がやってくるのでしょうかね。

    1. ま~く より:

      いはちさん

      原付の新車価格が20万になるのではなく、プラス20万です。現状では15~20万する原付1種の新車価格が、EURO5に対応することで価格が倍になる可能性があります。メーカには現状の価格帯で新規制に適合するのか、別手段で原付1種を継続するのか方針を早く打ち出してほしいものです。

      原付の場合は車検がありませんのでディーゼル車の排ガス規制の時のように、街中を走っている車も新規制に適合しないと走れなくなるという事はないはずですが、年数が経てば自然と旧車両は淘汰されていくことになるでしょうね


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