先日、所要でタイ大使館に行った時の話である。受付番号札を引き、順番を待っていると窓口で係官と話しているカップルに目が留まった。男性は日本人で60代後半、女性はタイ人で40代のように思われた。
どうやら二人は結婚手続きに関する説明を受けているようであるが、大使館員の日本語による説明が理解できておらず、男性の頭からは煙が吹き上がっているかのようであった。二人が待合席に戻ってきたところで小生が声をかけ、話を聞くとやはり男性は手続きについてあまり理解していない状態であった。なかでも理解していなかったのは男性の戸籍謄本に外務省の公印確認が必要であるという点であった。
公印確認とは戸籍謄本などに押印された市区町村長の印が本物であることを、外務省が証明するものである。外務省ではすべての公官庁の印影を照合することが出来るので、提出された文書の公印の真贋を確認し間違いなければ確認印を押印する。これにより提出された文書が間違いなく本物であることを外務省が証明するという形になる。(→外務省領事局証明班のサイト)
日本にある外国の大使館では、申請者が提出された戸籍謄本などにある押印が間違いなく市区町村のものであるかについて確認することが出来ない。しかし日本の外務省の証明があるのであれば提出された公文書は本物であろうと判断することができる。そのため、外国の大使館などでは提出する書類について事前に外務省の公印確認印を取得することを求めることとなる。
公印確認の手続き自体は難しいものではない。公印確認をしてほしい文書に申込書を添えて申請するだけだ。窓口で申請すれば翌日以降に外務省の確認印が押下されたものが受取可能となる。外務省への手数料は不要だ。また郵送での申請もできるが、この場合は郵送に係るリードタイムが必要となる。
小生自身は何度もこの手続きをしに東京・霞が関の外務省に行っているので、男性には小生からも詳しく説明して差し上げたが、普通の人はなかなか縁のない手続きであると思う。
公印確認の手続きは東京・霞が関の外務省で申請します。申請は証明班の大阪分室や郵送でも可能です。
警備員の案内に従って歩くと、窓口にたどり着きます。
受領は申請日の翌日から可能です。申請した書類に押印されている公印を本物であることを証明する外務省が証明する確認印が押印されています。
※冒頭の写真は在東京タイ大使館です。
世界的にみると「公式書類の偽造などは当たり前に起こる」というのが常識ですが、日本はやはり性善説の国、なおかつ年齢が高ければ高いほどそう考える割合が高くなるような気がします。
なもんで、彼らからしてみりゃ「お役所で出してもらった書類をなんで本物だと証明しなきゃならない?」となりますわな。
そういった書類を偽造するなんて事を考えもしないでしょうから。
私も餌さんの仰る様に「お役所が出す書類が
偽物であるわけが無い・・」と思う一人です。
しかし、どんなにセキュリティシステムが発達しても
人間のやる事ですから、いくらでも偽造は
出来るはずです。
まあ、その為の検印なのでしょうね。
今回の場合、この人が遠くから来た場合は
少なくても一泊しなくてはなりませんからね。
知らなかったらちょっと頭に来るかも。
老後の参考にさせていただきます(笑)
お隣に国では何でも偽物が作られてしまうから、
信用がある日本までこうなっちゃうんでしょうね~。
そのうち、
この印にも偽物が出てきてしまうかもしれません。
こういうことは何か一つの事故があった時にその対策としてできたことかもしれませんね
法律・・・ではない対応
その時に考え付く善処策
今の日本はそれが多く
そしてそれが一度決まるとそのまま放っておかれて改善されない・・・
餌釣師さん
日本で住んでいるとあまり偽物とか気にする場面って少ないですよね
たまにカラーコピーで作ったような偽札に騙される事件が起きたり
しますが、偽物をつかまされるという意識が希薄だからこそだと思います
海外に行ったら100USDなんて穴が開くほど確認されますし、受け取り拒否
をされることもありますからね
お役所の書類だったらなおさらですね
いはちさん
海外の場合は公文書であっても手書きのものがあったりしますので
偽造文書なんてことも起きうるのだと思います。大陸の人が
訪日ビザを取ろうとして偽造した証明書を出したりするので
審査はかなり時間をかけて慎重にするようです
大使館の手続きは一度で終わることはありませんので何度か行き来
する必要があります。国際結婚って面倒です
Dr.鉄路迷さん
偽物天国のあちらの国はそれ故にいろいろな書類審査に
時間がかかるようです。ただこちらの認証の仕組みは国際ルールに
則ったものなので、特定の国がどうこうという事ではないようです
あさとさん
1961年に締結された「外国公文書の認証を不要とする条約」
(通称:1961年10月5日のハーグ条約)の締結国間であればこちらの
手続きは不要となるのですが、タイ王国は条約の非締結国なので
こちらの手続きが必要となるのです。
なかなか面倒な手続きではあります