7月1日に日本航空グループのJ-Airのブラジル・エンブラエル社製のE190を就航させました。初便となったのは大阪・伊丹発、仙台行きのJL2201便となりました。初便を担当したのは、機長が間野公太氏(運航乗員訓練部路線教官室長)、副操縦士が長谷川涼子氏(ERJ運航乗員部)で、女性が担当したことでも話題になった。またこのクラスの航空機では初めてのクラスJ導入機材となることでも期待の機材と言えます。
JALグループではエンブラエル社とE190を15機(プラスしてオプション契約12機)を購入する契約を結んでおり、2009年に導入したE170と合わせて32機体制としCRJ200の退役を進めていく予定としています。まずは今年度中にE190を5機を受領し5機を受領し伊丹-仙台、伊丹-鹿児島の全便をE190に置き換え行く予定としています。今回のE190導入で、客席数70~100名クラスの機材はいったん、E170,E190に統一されることになります。
しかしここにJALの苦悩が透けて見える気がします。本来、JALではリージョナルジェット機と、ターボプロップ機をMRJに置き換えていくことを基本方針とし、現在もその基本方針は堅持しています。実際に、2014年に32機のMRJを購入する契約を三菱重工と締結し、2021年に納入予定となっています。
MRJがすんなり納入されるのであれば、E190を導入する必要がないはずですが、MRJの度重なる計画変更が影響しているようです。昨年(2015年)11月に名古屋空港で初飛行を果たしたものの、今後も予定通りのスケジュールで開発が進むという保証はないと考えているようです。また無事にローンチを果たしたとしても、B787のようにローンチ後にトラブルが発生する可能性もあります。
そこでMRJが予定通り納入されなくても、E170/190で運航を続けられるよう手を打ったというところのようです。MRJのローンチカスタマーであるANAの幹部も「MRJを待ってはいるが、あてにはしていない」と話すように航空業界ではMRJが計画通り開発が進むのか、懐疑的な見方が強いようです。
それでもJALもANAもMRJを待っているのは、MRJの低燃費性があるようです。航空機のエンジンの主な製造メーカとしては以下の3社が挙げられます。
・GE(ゼネラル・エレクトリック)
・P&W(プラット・アンド・ホイットニー)
・ロールス・ロイス
航空会社が航空機を購入する際は、選択可能なエンジンの中から購入する航空機に搭載するエンジンを選択するというケースが多いです。しかしMRJでは初めから、P&W社製のGTFエンジン「PurePower PW1200G」を搭載する事とし機体も搭載するエンジンに最適化したものとなっています。その効果もありE170/E190と比べると10%~15%程度、MRJのほうが燃費が良いとされています。
E190の導入は保険をかけたともいえる動きではあるが、これ以上MRJの開発が遅れないことを切に願うばかりである。
※文中の写真はE170です。
MRJは私にとってはどうでもいい(笑)飛行機ですので
気にもしていませんでしたが
開発の遅れがやはりあるのですね
航空機の新機種は全てそうですが
営業数獲得のためのスケジュールと
実際のスケジュールが最近とみにずれて行ってますね
あさとさん
このクラスの飛行機はやはり興味の対象外でしょうか。MRJは国産飛行機ということもありますので、個人的には期待している飛行機ではあります。
旅客機はただ飛べばよいという代物ではありませんから、開発に時間を要することになりますね。製造メーカの経営層と現場の温度差みたいなものは確かにあるでしょうね
MRJですか。来年の今頃はANAが発注した飛行機が飛んでいるはず・・・です。
私は小さな飛行機が好きなので大変興味があります。
エンジンはP&W社のエンジンを日本で組み立てるんですよね。
エンブラエルに関してはまだ乗った事が無いので良い悪いは言えませんが
JALが発注しているのなら、MRJ就航まではかなり時間がかかりそうですね。
いはちさん
昨年の暮れにMRJの開発スケジュールは見直しとなり、ANAへの納入は2017年4~6月となっていたものを1年ほど先送りとなりました。ただ今年の9月からは国内でのエンジンの組立に入るなんてニュースも入ってきました。おっしゃるように米国から部品を送ってもらい国内で組み立てることになります。
エンブラエル社の飛行機は乗ってみるとわかるかと思いますが、意外と快適ですよ。JALを利用される機会がありましたら羽田からも飛んでいますので行き先によってはご利用されてはいかがでしょうか
ついに来ましたか・・・。
これによって、プロペラ機が減るわけで、
プロペラ機好きの私には「侵略者」に見えちゃうのです。
Dr.鉄路迷さん
そうですね。プロペラ機が減るのは確実ですね。国内線のベースが羽田の人間にとってはプロペラ機に乗る機会がますます減ります
ただ今年の4月にはRACにDHC-8-Q400CCが納入されています。離島路線では引き続きボンQファミリーが活躍しそうですね。
MRJに関しては・・・諸般の事情でコメントできない立場にあるのですが、日本の夢を乗せて大空を羽ばたいてほしいものです。
JALの苦悩は確かに書かれていることを読むと納得できます。
お察しのとおりなんでしょうね。
餌釣師さん
一航空ファンとして、YS-11以来となる国産機には機体をしています。早く空を飛ぶ姿を見てみたいものです。
スケジュールの遅れは航空会社にとっても頭の痛い問題なのでしょうね