人々が踊っているうちに雨もほぼやんできました。予定よりは少し遅れましたが、ようやく祭壇を寺に運ぶことができます。するとピックアップトラックが滞在先の家の前につけられます。するとほど同時に僧形の若者が姿を現します。
この若者は滞在先の家の息子さんです。タイでは葬式や法事の際には身内の人間が出家し一週間ほど寺で修行するのが一般的です。一週間すれば還俗し再び元の生活に戻ります。すると男達が集まり数人で荷台に祭壇を運びこみ始めますので、小生もこれを手伝います。途中で祭壇が落ちないようにしっかりと紐で固定します。
このようにピックアップトラックの荷台に祭壇を固定します
その頃になると同じように祭壇を荷台に積んだトラックが数台集まってきます。実は今回の法事の行事は村で合同で行われたものでした。イサーンでも裕福な家の場合は単独でこういった行事を行う場合もあるのでしょうが、単独で行うにはかなりお金が掛かります。そのため数年に一度に村で亡くなった方の法事の行事を合同で行い費用を抑えるということも多いようです。
トラックに積んだ祭壇に僧形の若者が座ると、車がスタートします。寺があるのは滞在先の家のすぐ裏手ですので、歩いていけば3分とかかりません。しかし、そこをすんなり運ばないのがイサーン流です。祭壇を積んだトラックが並んで村を一周回るのです。最後尾にはスピーカーを積んだトラックが大音量で音楽を流しています。
祭壇を積んだトラックの前後には、親族を初めとして村中の人たちが総出で行進を始めます。周囲の人と話をしながら歩く者、手に持ったビールを飲みながら歩く者、音楽に合わせて踊る者など、そのスタイルは様々です。年齢も大人から老人までまさに老若男女という感じです。みんなの表情は一様に楽しそうで、これが故人の法事であるという事を忘れてしまいそうです。
小さな村ですので歩いても一周20分も掛からないはずですが、祭壇を積んだトラックの列は一時間近くかけて寺に到着することとなりました。法事とは言うものの、日本のような湿っぽさは皆無なイサーンの人々なのでした。
ピックアップトラックの祭壇に僧形の若者が乗り込むとパレードがスタートです。
パレード出発前こんな風にバケツにビールを入れている人がたくさんいます。ビールかけでもするのかなと思っていましたが歩きながら飲むんです。
こちらの女性はビアリオをビンごと持ち歩いています。
こんな風にピックアップトラックを中心として村中を練り歩きます。
いくつものピックアップトラックを囲んで村人が練り歩きます。
なるほど。これだけ大掛かりだと、さぞかしお金がかかりそう・・と思ったら
合同の法事だったのですか。
一週間出家しなければならないのですね。今の日本の若者ではそれは
できないかもしれません。私もそうですが。
ビールを持ち歩く?ラッパ飲みですか。最近ビールをラッパ飲みしている人を
見かけませんね。
いはちさん
合同と言っても合同な部分は寺院での法要だけですので前日のイベントは各家庭ごとです。やはりお金がかかるのは仕方がないですね
ビール瓶のラッパ飲みって日本ではあまり印象がないですが、海外に行くと目にするように思います。特に白人なんかはよく見かけるように思います
日本で言うところの豊年祭りとかの意味合いで
こういう法事がにぎやかに行われるのでしょうかね
故人の弔い方が仏教でも違うのはわかりますが
ここまで法事が大掛かりだとそう感じてしまいます
あさとさん
弔いのスタイルはやはり大きく違いますね。ただ法事のようなことをきっかけに故人に思いを馳せるという点は共通な気がします。ただ静かに思いを馳せるのか、故人のおかげでみんなが楽しめる機会ができるのかという違い気がします。
以前、知り合いの知り合いが一時的に僧侶になる云々という話をしていて、何のこっちゃ?と思っていたら、こういう時の為の対処なんですね。
あと、イーサンの方でもやはり亡くなった方の個別のお墓は無く、塔婆(仏塔)への散骨ですか?
餌釣師さん
タイではこうした葬儀や法事のタイミングで一時的に出家することも一般的ですが、日本でいう成人式的に一時出家するというのも一般的です。そのため18歳で即位されたプミポン前国王も即位後に一時期、出家されましたがその際にはシリキット王妃が摂政を務めています。こうして一時的にでも出家して仏門に使えることも、タンブンの一環なんですね
イサーンではきちんと故人のお墓があります。私には読めませんがきちんとタイ語で個人の名前を刻銘しています。