先週の木曜日の事です。ある病気を疑われ病院で散々検査を受けるという羽目に陥りました。結果的には大したことがなかったものの、本日はその時のことを書いてみたいと思います。
事の発端
朝の目覚めはいつもと変わらないものでした。しかしすぐに異変に気付きます。左手で眼鏡をかけようとしたところ、思ったところに手を動かせずにうまくいかないのです。それと同時に左手の甲の人差し指と中指の付け根辺りに痺れを感じます。手を握ることはできるものの、手を開いた状態では力を入れることができません。また手を開いた状態で、手の甲の方に指をそらすこともできない状態でした。それと左ひじの部分に痛みもありました。
そんな症状に脳梗塞という文字が脳裏をよぎります。実は小生の父親は40歳の時に脳梗塞で他界しています。また伯父(父の兄)も4年ほど前に脳梗塞で倒れ、右半身に障害が残っています。そのDNAを受け継ぐ小生も同じ病気の素質を充分に持っていると言えます。
そこで慌てて様々なサイトを検索し、名病院と評判の高い鴨川にある亀田総合病院のサイトにたどりつきます。読むと自分の症状によく似ています。読むと小生の症状によく似ています。逡巡したものの、会社に行くことにしました。
昼間の状態
出社後も症状は悪くも良くもなりません。ただ左手を思うように動かせないので、キーボードを打つのに非常に難儀します。幸いこの日は会議が多くPC作業が少な目でしたが、それでもかなり不便な状態で過ごすこととなりました。
この時点では内科的なものではなく整形外科的なものであろうと思っていましたので、定時退勤後でも受診できる整形外科を探し始めます。脳梗塞の可能性がゼロではないですので、内科も併設しているところが良いと思って探していると、通勤経路に条件に合致する病院を見つけましたので普段は滅多にしない定時退勤で受診することにしました。
最初の病院での診察
19時半に病院に到着すると空いていたのですぐに診察を受けることができました。一通り朝からの状況を説明すると、運動機能の確認が行われます。目をつぶった状態で両手を「前に倣え」の状態にして保てるか、目的のところに指を動かせるかなどのいくつかの確認が行われました。
そして診断の結果は、「すぐに検査設備と入院設備の整った救急病院で診察を受けてください」との事でした。こちらの病院では紹介状を書いてもらい、小生の住む市にある救急病院に20時半頃に救急車で搬送されることになりました。実はこの病院は4年前に伯父が脳梗塞で入院した病院でした。
救急病院
トリアージ
救急病院に到着したのは21時になってからでした。時間外受付で紹介状を出すと、問診票を書いて待合室で待つように言われます。このころになると手のしびれは少し引いてきていましたが、ひじの痛みは残ったままでした。また左手の可動状態も朝からほとんど変わっていません。
間もなく自分の名前が呼ばれ女性の看護師がトリアージを行います。血圧、脈拍、体温、血中酸素濃度などのバイタルデータを測定すると、再び待合室で待つように言われます。トリアージの結果、小生は緊急性を低く判定されたのか、その後一時間ほど待つことになります。脳梗塞の疑いありとの紹介状を持ってきているのに、こんなに待たせて本当に脳梗塞だったらどうするのだと思いながら待つことになりました。
問診
22時を回ってようやく女性医師から自分の名前が呼ばれ診察室に入ります。小生は再び朝からの状況を説明すると、最初の病院でもあったように運動機能の確認が行われます。ただ最初の病院で行われたチェックに加えて、いくつかのチェックも行われました。
するとこの後、血液検査をした後にCTの検査を行い、CTで脳梗塞の所見が見られなければCTに映らない梗塞がないか、MRI検査も行いましょうということが説明されます。そして再度、待合室で待つことになりました。
血液検査
10分ほど待合室で待つ男性の看護師に名前を呼ばれ、処置室に入ります。処置室は大部屋の入院病棟のようにベッドが10個ほど並べられ、間をカーテンで仕切られています。
自分に割り当てられたベッドに横になると看護師は採血を行います。そして採血で刺した針は、そのままにして点滴の管を針とつなげます。点滴液の入った袋には「生理食塩水」と書かれていますので、この時点で投薬が行われているわけではなさそうです。
血液検査の結果が出るのに30~40分かかるので、その状態で待つよう指示されます。
CT検査
処置室のベッドの間はカーテンで仕切られているだけなので、隣の会話がそのまま聞こえてきます。小生の隣は胆石の疑いのある女性、反対側の隣は小さな子供のようです。処置室には子供の泣き声が響き渡っていました。
23時を過ぎてようやくCT検査の順番が回ってきます。問題なく歩ける状態でしたが、車いすに乗せられCT検査の部屋へ移動します。検査台に横になると体を固定され検査が行われます。初体験となるCT検査でしたが、検査自体は5分ほどであっけなく終了します。すると再び車いすで処置室に戻り待機となります。
20分ほど待つと最初に問診をした女性医師が処置室にやってきます。CT検査では梗塞が見つからなかったため、やはりMRI検査を行いましょうと説明されます。女性医師が処置室から出ていくと、「MRIを起動してください」と指示する声が聞こえました。
MRI検査
日付が変わって0時半頃にようやくMRI検査に呼ばれます。先ほどと同様に車いすに乗せられ検査室に到着到着すると異質な世界に足を踏み入れた気分に陥ります。部屋にはピヨーン、ピヨーンという音が同じ周期で繰り返しなり、検査機器の向こう側にはアクリル張りの検査機器の操作室があります。まるでSFの宇宙世界のようです。
検査台に横になると、検査技師は小生の体を固定しイヤホンのようなものを耳にあて、ヘルメットのようなものを被せます。その様はまさに宇宙遊泳の格好を想起させます。このMRIの検査がなんとも言えない体験でした。
事前に検査技師からは「やかまし音がします」と言われていたものの、高低様々な電子音が響き渡ります。時には頭を振動させるような動きをすることもありその状態でじっとしていなければならないというのは大変した。なかなかのストレスのかかる検査でしたが15分ほどで終了することになり、処置室に戻ります。
このころになると、手のしびれはほとんどなくなっていました。左ひじの痛みは相変わらずあるものの、左手の親指は以前よりも動くようになっていました。
検査結果
1時30分頃になり女性医師が処置室にやってきます。するとMRI画像を脳神経外科の医師とともに確認した結果、脳梗塞ではないとの結果が伝えられます。そして気になる、診断結果は
橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)
との事でした。朝の時点で検査にヒットしたものと同じでした。これは腕を体の下にしたような恰好で寝ることにより腕の部分の神経が圧迫され神経麻痺を起こすというものです。
会計で支払(15,900円)を済ませ、病院を出ると、なんと2時を回っていました。
その後の経過
金曜日は通常通りに仕事をこなし、土曜日に救急病院の紹介状を持って自宅近くの整形外科を受診するにしました。このころになるとしびれは完全になくなり指の可動域もほとんど通常通りになっていましたが、上腕二頭筋、腕橈骨筋の辺りに痛みが残っていました。また少しですがいつもよりも力が入らない状態でした。
整形外科ではメコバラミンという薬を処方されます。メコバラミンとはいわゆるビタミンBで、神経の核酸・蛋白合成を促進し、軸索再生、髄鞘形成を促すことにより、傷ついた末梢神経を修復してしびれ、痛みなどを改善する効果があるそうです。現在ではほとんど以前の状態と変わらぬ状態にまで回復しています。
今回の体験の感想
何はともあれ一番恐れていた病気でなかったのは一安心でした。とはいえ検査に長い時間というのはかなりの負担でした。最初の病院に入ってから救急病院を出るまで6時間半、救急病院だけでも5時間も要することとなりました。待ち時間が長いと評判の悪い日本の大病院ですが、その典型なのではと感じる経験でした。
大事に至らなくてよかったです。
私も最初に出てきた病院に「首が痛くて・・」
診てもらったことがありますが、予約もしていなかったので
6時間くらいかかりました。検査内容はほぼ同じですね。
トリアージをしてくれる病院は良いですね。急患ではないと
判断された時点でホッとします。
いはち さん
ありがとうございますございます。
大したことがなくてよかったです。
やはり大きな病院は検査に時間がかかりますね。今回の病院ではありませんが、某大学病院でもやはりかなり待たされたという経験があります。いはち
しょっちゅう医者に掛かってる私は
こういう経験はかなりしています
大病院の初診は確かに時間がかかるものです
関西と関東ではそれでも随分と違うそうですので
ま~くさんのこんかいのことは
私の想像よりずっとかかったのだと思います
でも
本当に脳梗塞でなくてよかったです
あさと さん
ありがとうございます。
関東と関西で病院でも違いがあるというのは知りませんでした。6時間という時間もさることながら、検査が深夜に及んだというのが一番負担でした。
冒頭の病院のサイトを見て、ほぼ橈骨神経の問題で間違いないだろうと素人判断したので会社に行ったわけですが、一抹の不安のある中での業務となりました。ですので時間がかかったとはいえ、一番心配した病気でなかったことが分かったのは良かったです。