ご存じの方も多いと思いますが、12月11日に以下のような報道がなされていました。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなどの非加盟の主要産油国は10日、ウィーンのOPEC本部で閣僚会合を開き、15年ぶりに協調減産で合意した。11月末のOPEC総会での減産合意を受けて、ロシアなど非加盟国も減産で協力する。非加盟国全体で日量60万バレル弱を減産する方針で、OPECと合わせて世界生産の2%近くを削減し、原油市場の需給改善を後押しする。
(2016年12月11日 日本経済新聞)
これまで産油国の様々な思惑・利害が対立し、なかなか協調減産に踏み切る事が出来ずOPECの存在意義を問う声も出ていましたが、久しぶりに産油国各国が合意に至った事になります。しかし、このニュースを複雑な思いで聞いていた航空ファンは小生だけではないと思います。
これを受け原油相場は上昇基調に転じましたが、そのレベルはまだ燃油サーチャージが復活するレベルではないと思いながら原油相場をチェックしていました。ところが日本航空(以下、JAL)でも2016年12月19日になり、2017年2月発券分から燃油サーチャージを復活させると発表しました。(->JALのプレスリリース) 今回、発表された燃油サーチャージは以下の通りです。
地域 | 金額 |
---|---|
韓国・極東ロシア | 200円 |
中国・台湾・香港 | 500円 |
グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム | 1,000円 |
タイ・シンガポール・マレーシア | 1,500円 |
インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ | 2,000円 |
北米・欧州・中東・オセアニア | 3,500円 |
プレスリリースの内容を、確認していくと小生がまだ燃油サーチャージが復活しないはずだと思っていたにも関わらず、復活した理由に行き当たります。そこには燃油サーチャージの改定条件として以下のような記載があります。
「2カ月間の市況平均が1バレルあたり6,000円を下回った場合、本運賃を適用しません。」
小生が頻繁に仕事で海外に行っていた当時、燃油サーチャージはWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の米ドルの価格を元に決まっていました。しかし今回の発表を見ると、改定基準が日本円となっています。そこで調べてみると、2015年4月発券分からこれまでの米ドル基準から円換算基準に変更されたようです。企業としては為替リスクを回避するための方策なのでしょう。
折しも為替相場は1月の米国・新大統領就任に対する期待相場の様相を呈しており、円安傾向です。小生がWTIの動向を注視していたにも関わらず、燃油サーチャージの動向を見抜けなかったのはこの円安が影響していたようです。ただいずれにしても燃油サーチャージについては、なるべく上昇しない範囲で推移してほしいものだと思います。
私も来年の予約を今月中に確定しようとしています
多分来月になるとサーチャージが引き上げ前の特需で
席が少なくなる可能性がありますので・・・
あさとさん
予定が確定している場合は、早めに発券した方がよさそうな感じですね。ただあまり早いと何かの要因で変更が発生するかもしれないと言うリスクも孕みますが・・・
私も昨日の夕方のニュースでこの事を知りました。
海外に行くなら早めに決断しなければなりませんね。
いはちさん
記事を書いた段階ではANAの動向を確認していませんでしたが、今回もJAL、ANAで燃油サーチャージの金額も合わせてきたようですね。この横並びも何とかならんものでしょうかね
来年も海外は5-6月の予定ですが、さすがに1月には発券できません…これ以上上がらないのを願うばかりです。
ハニーさん
私の場合、来年の4月に渡航の可能性がありますが、親族のイベント絡みでなかなか日程が確定しません。おっしゃるようにこれ以上上がらないのを祈るばかりです。「またお前の所のホテルに泊まってやるから、なんとかしてくれ」と、カツラ疑惑のオッさんに頼んでみてください。
こんなんでドキドキしなように運賃の中に入れてほしいです。
なんかねぇ、このシステムって上手く利用者側に変動リスクを転嫁したものだと思います。
餌釣師さん
常々言っている事ですが、タクシーに乗って運賃に加えてガソリン代を請求されるような話だと思います。利用者にも分かりにくいですしなんとかならないものかと思ってしまいます。新制度では原油相場の変動リスクに加えて為替の変動リスクも転嫁するとは酷い仕組みだと思います