新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチンをめぐる世界情勢

他の先進国に比べて、新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチン調達競争に完全に敗れた日本ですが、小生としては早く順番が回ってきて打てないかなと思っています。

本日はそんな新型コロナウィルス(COVID-19)のワクチン接種に関する世界状況を整理してみたいと思います

新型コロナの世界情勢

ワクチン接種状況

匡・地域別の累計接種回数と、2回の接種が完了した人が人口100人当たり、どのくらいいるのかをグラフにしたものが以下です。


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COVID-19の震源地である中国は別にして、最も接種回数が多いのが米国です。人口100人当たりでも、3割以上が2回の接種を終了しています。またCOVID-19ワクチンのニュースでよく話題になるイスラエルは人口数が少ないので、累計接種回数は多くありませんが、すでに半数以上が2回の接種を完了しており、やはり接種が進んでいる現状が見えます。ちなみに母数の100人には、ワクチン接種ができない18歳未満も含まれますので、どの国も100%になる事はありません。

一方で米国に次ぐ累計接種回数を誇るインドですが、13億を超える人口の多さが足かせとなり、2回の接種を終えた人の割合は2%ほどに過ぎません。

新規感染者数の推移


まずは日本の新規感染者の推移のグラフです。同様のグラフを目にする機会も多いかと思いますが、ここへ来て今まで以上のペースで新規感染者が増えていることがわかります。

次に日本同様にワクチン接種を完了させた人の割合が少ない、タイとインドの新規感染者のグラフを見ると、このようなものになります。それぞれの国で人口規模が違いますが、いずれの国も日本同様にここへ来て急拡大していることがわかります。

新規感染者が急拡大しているというのは、世界的なトレンドと言えそうです。

一方で、ワクチン接種を完了した人の割合が多い、米国とイスラエルの新規感染者数を見ると、このようなグラフになります。4月から5月にかけて新規感染者が急拡大しているという状況は読み取れません。こうしてみるとやはりワクチン接種は感染防止にはかなり効果がありそうだという事がわかります。

日本のワクチン調達・配布状況

厚生労働省開示のスケジュール

厚生労働省が開示している、COVID-19ワクチンの自治体への配布予定は下図の通りとなっています。


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マスコミでは、4月中からワクチンを自治体に配布したとか、高齢者の受付を開始したとか、高齢者の接種が始まったなどと報じていました。実際に4月中に各自治体に配布できたのは僅かな量に過ぎません。小規模な自治体以外の殆どの自治体では、地域内の高齢者には全く行き渡らない状況でした。ワクチンを自治体に配ったという、国のアリバイ作りだけで実際の接種をどうするかに関しては自治体に丸投げという状況です。

そんな状況で接種の受付を始めるとかえって混乱してしまいます。そのためほとんどの自治体では4月中に届いたワクチンは、そのまま在庫し接種受付もしていないところが殆どだったようです。

千葉県北西部の某都市の状況

千葉県では、5月になり厚生労働省の上記のスケジュールに基づき、6月末までに高齢者向けのワクチン配布を完了すると発表しました。これを受け、小生の住む千葉県北西部の人口48万人の都市では、市内に10万人余りいる65歳以上の高齢者の接種受付に関し、以下のようなスケジュールを提示しました。

  • 90歳以上の高齢者:5月12日(水)から受付
  • 85歳以上の高齢者:5月17日(月)から受付
  • 80歳以上の高齢者:5月22日(土)から受付
  • 75歳以上の高齢者:5月27日(木)から受付
  • 70歳以上の高齢者:6月1日(火)から受付
  • 65歳以上の高齢者:6月6日(日)から受付

同じ市内に住みながら、もう1年以上会えていない小生の母親の元にも接種券はすでに届いているようですが、ようやく5月22日から受付開始になるようです。

高齢者の接種後

政府、市の予定通りに行けば6月中に高齢者向け接種の見通しが立つことにおなります。そうなると何らかの基礎疾患を持つ人に接種の順番が回ってくることになります。重篤なものではありませんが、厚生労働省の分類によれば、小生はこの基礎疾患グループに属します。

スケジュール通り進めば小生のCOVID-19ワクチン接種も7月中には何らかの見通しが開けるかもしれません。

懸念要素?

大規模接種センター??

COVID-19ワクチンの接種の進展には、いくつもの懸念点があります。まずは菅政権が思いつきで発表した、東京・大阪に大規模接種センターを設置し、モデルナのワクチンを使用するとしたことです。自治体に丸投げしていたワクチン接種をいきなり国が始めると言い出したわけですが、接種の対象も不明ですし、自治体と国でどのように情報を連携し重複接種や、同一人物が異なるワクチンを接種しないかの取り組みも不明です。

高齢者接種を自治体に任せ、異なるグループを国主導で接種を進めると言うのであればまだわかりますが、大規模接種センターがきちんと機能するのかは大きな疑問です。

ワクチン調達は?

現在はファイザー製のCOVID-19ワクチンの接種が進んでいますが、その調達には輸送便ごとにEU当局の承認が必要で、これも大きな懸念です。前述の各国の接種状況を見ても、自国のアストラゼネカのワクチン接種が進みCOVID-19が収束に向かう英国に対し、EU主要国のフランス、ドイツの接種率は高くありません。EU当局はアストラゼネカが契約通りに、EUへワクチン供給をせずに自国供給を優先しているといらだっており、ブレグジットの際の対立が再びという様相を呈しています。

EU当局がEU域内の供給を目論見、ベルギーで生産されるワクチン輸送の許可をしないという荒業に出ないとも限らないと思います。

4 responses on 新型コロナウィルス(COVID-19)ワクチンをめぐる世界情勢

  1. あさと より:

    ワクチンの種類とか効能には詳しくありませんが
    出回ってる中国製ワクチンって
    どうなのか・・・・・って思っています
    国を挙げて開発したでしょうから
    決して粗悪品ではないとは思いますが
    開発されたワクチンと量販されたワクチンとの製品差ってのが
    この国にはおこりそうな気がしています

    1. ま~く より:

      あさと さん

      ファイザー製のワクチンですと2回接種したウチの9割以上が充分な抗体ができたとされています。一方で中国当局が先月に発表したデータでは、充分な抗体ができる割合は、50%強となっています。中国ワクチンでも感染、重篤化するリスクが半減するともいえますが、接種により集団免疫を獲得できるかという観点では微妙な数値です。

      ただどのメーカのワクチンも生成された抗体が、どの位の期間維持されるのかは不明なので、このあたりは今後の進展を待ちたいところですね

  2. いはち より:

    先日高齢者あてに接種券が郵送されて申し込み待ちの
    状態になっているわが市です。
    ファイザー製のワクチンみたいですが、かかりつけの医者は
    会場ではなく、その医院で打つのが良いと言いました。
    会場は遠いから、そうしたいです。

    1. ま~く より:

      いはちさん

      国が自治体に配っているのがファイザー製のワクチンですので、お住いの地域で接種すればファイザー製のワクチンになるはずです。お住いの地域ですと集団接種会場2か所のほかに、市内すべての医療機関で接種が可能になるようですね。


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