2014年12月28日に発生したインドネシア・エアアジア、QZ8501便(AIRBUSA320、機体番号:PK-AXC)墜落事故の最終報告書がまとまった
それによると事故原因は、ラダー(方向舵)を制御するシステムの不具合に、パイロットの操縦ミスが合わさったものと結論付けている。また当時操縦していた副操縦士が、機体を立て直す訓練を受けていなかったとし、パイロットの訓練不足が原因と結論付けている。
しかし詳細に読んで行くと事故機のラダーに関する異常はかなり前から発生していたことがわかる。調査報告書では、事故機がこの一年間にラダーに障害を示す警告は過去1年間で23回出ていたという。
事故機に対してどのような整備を行っていたかは不明であるが、最小限の機材を短いインターバルで使いまわすLCCゆえに機体整備が疎かになったのではないかという懸念が生じてしまうように思う。
特にインドネシアの航空当局安全監督能力が他国に比べて低いことが国際社会から指摘されている。航空会社の安全性をランキングするAirline Ratings.comでもガルーダ・インドネシア航空をはじめとして、インドネシアの航空各社は軒並み低い評価にとどまっている。
小生がかねてから懸念していることだが、低価格の代わりに安全性が脅かされるのは本末転倒である。低価格で乗客を運ぶLCCが、それまで飛行機移動ができなかった人々の移動を可能にしたという役割は一定の評価ができるものとは思う。しかしその根本の安全性については、確実に担保して欲しいものと思っている。
インドネシアの航空当局安全基準が他国に比べて低い・・って
これは世界的に基準が同じでは無いのですか?その国で決めても良い
ものなのでしょうかね。
私も某LCCの乗務員による那覇空港閉鎖の影響で予定が半日狂った
事がありました。
採用基準や安全に対するベクトルの違いが有って良いのでしょうか。
個人的には巻き込まれると言う事だけは避けたいです。
いはちさん
安全基準に関してはICAOが定める国際基準がありますのでそれに則って各国は安全審査業務を行う必要があります。ただICAOの要求を満たす安全審査を実施できる技量があるかは、残念ながら国によってばらつきがあるのが現状です。
きちんとした審査ができなければ、その国の航空会社も悪い評価を受けるという事になります。
整備力・確認作業・運航乗務員の技術などなど
安全と一言で言ってもいろんな要素が必要で
たぶんその要素をすべて一定の水準に保つのではなく
大きな要素だけつくろって営業していたのではないか・・・という
そういう気もしないでもありません
「安全には手を抜かない」そういう経営陣と
手を抜かねば運航できない現場というのもあるのかもしれない
あさとさん
確かにそうだと思います。とりあえず大きな要素だけを取り繕っておこうという事が起こりうることは充分に考えられると思います。
運輸当局の審査が甘いという事は、安全運航は各航空会社にかかってくることになりますが、効率のみを優先させる事業者が出てくると大変なことになりますね。