バリ島沖合でダイビング中に行方不明の日本人7人、捜索続く

すでに各種メディアで報道されているが、インドネシア・バリ島でスキューバダイビングをしていたダイバー7名(インストラクター2名、ツアー参加者5名)が行方不明となり、現在も見つかっていない。

現場となったのはバリ島南東沖にあるレンボンガン島沖で、マクロポイントと水深が浅く小魚が中心に観察できるポイントであるが潮流はかなり速いところである。潮流が速いポイントではドリフトダイブと言って、潜るポイントと浮上するポイントが別々であるのが基本である。

これは潮流に乗って泳いだ方が楽であるし、水中での酸素消費量も少なく済むためである。海中から浮上したダイバーは浮上ポイントを予測して先回りしていた船に拾ってもらう事になり、今回もそのはずであったようである。 遭難の原因についてリップカレント(離岸流)に言及しているものもあったが、これはあたらないであろう。リップカレントが起きる幅は限定的で7人全員がリップカレントに飲まれるという事は考えにくい。では、原因は何かと言うと恐らくロストであろうと小生は思っている。ロストとはダイバーが水上に浮上した後に船に見つけてもらえず、そのまま流されてしまう事である。

報道によれば事故当日は激しい雨であったようである。ダイバーが浮上してくるのを待つ船はダイバーが排出する空気泡で浮上位置を予測したりするが、激しい雨の場合は水上の泡を確認しにくくなる。浮上したダイバーは船に見つけてもらうためにフロートと言う細長い風船(上図)のようなものを掲げるが、激しい雨の場合はこれを視認するのも困難となる。また風船のようなものなので穴があいて空気が抜けてしまうと役に立たなくなる。

ツアーを催行したダイビングショップは、今回遭難した日本人女性のインストラクターをバリ人の夫による経営される小規模なものであったようである。ダイビングショップがどのような器材を準備し、どのような事前計画を行ったのかは今のところ不明であるが、一刻も早い行方不明者の発見を祈るばかりである。 ※本日21時のNHKの報道によれば、行方不明だった7名のうち5名が無事生還したようです。残る2名の安否が気遣われます。(2014/02/17 21:54追記)

※5名が救助された際の様子の記事を追加掲載します。(2014/02/18 9:00追記)


7 responses on バリ島沖合でダイビング中に行方不明の日本人7人、捜索続く

  1. あさと より:

    こういうことがあると
    計画に無理がなかったかが問われますね
    日本人のバカンスの短い滞在日数が
    無理な事を推し進めたのかもしれません

  2. いはち より:

    休みを取ってせっかく来たのだから・・
    無理を承知でインストラクターは出て行ったの
    でしょうか?その辺が今後問われるかもしれません。
    でも
    今のところ5人は無事保護されたようです。
    まあ、あさとさんの仰る通りで、日本企業の
    休みに対する考えと勤勉さを売り物にしている
    我々の休みの取り方に問題があるのかもしれませんが。
    早く全員が見つかると良いです。

  3. 餌釣師 より:

    登山、ロッククライミング、スキー、サーフィン etc こういった自然相手のスポーツやアクティビティは熟練度が増すほどリスクの大きなものに挑戦していきますからね。
    結果だけを見ればマスコミは「タラ・レバ」で語ってはいますが、この手のダイビング、ましてや上級者向けのものですから危険はつきものだと思います。
    確かに安全管理は重要ですが、多分いくら頑張っても100%の安全を保証するのは困難で、またそれに限りなく近づければ近づけるほどコストが上がって商売として成り立たなくなるというのが現状だと思います。
    (このダイビングツアー会社の管理がずさんかどうか?というのは判りませんが、大概この手の会社は零細ですので、粗を探せば幾らでも出て来ると思います。)
    なので私としては、「運が悪かったですね」としか言いようがない。
    今は残る2名の安全を願うのみです・・・ただ、5名が生きていたことも奇跡だと思うのでもう少し奇跡が起これば、と思わずにはいられません。

  4. ま~く より:

    あさとさん
    おっしゃるような側面はあるかもしれませんね。
    私がバリ島に行く時は最低10泊しますが、3泊5日程度の
    日程でバリ島を訪れる日本人も多いです。
    事前の計画と状況の変化への対応が求められるのがダイビング
    ですが、今回はどこかで旨く行かなかったのでしょうね

  5. ま~く より:

    いはちさん
    この時期のバリ島では天候が急変する事は珍しくありません。
    報道でも天候が急変したとありますので、出発時点では問題は
    なかったのかもしれません。あとは変化した天候にどう対処するか
    が問題となりますが・・・
    5名が助かったのは昨晩のニュースでも取り上げられていましたが
    依然として2名が行方不明のままです。残る2名の無事を祈る。
    ばかりです・

  6. ま~く より:

    餌釣師さん
    本文でも触れたドリフトダイブは、私のような若葉マークのダイバー
    では通常できないものです。今回の事案に遭遇した人たちもそれなりの
    本数を潜ってきている人たちのはずです。今回、ガイド(インストラクター)
    2名に対し参加者が5名ですのが初心者なら、ガイド1名あたりの参加者は
    2名になるはずですので、参加者構成から見ても参加者がある程度の
    経験者である事は分かります。おっしゃる通り自然相手のスポーツですので
    危険性については熟慮しなければなりません。
    > 「運が悪かったですね」としか言いようがない
    確かにその通りだと思います。
    現在は雨季のバリ島とは言え、ダイビングン途中で激しい雨になって
    しまった事は不運としか言いようがありません。問題なくダイビングを
    終了できていたとしても雨が降れば水深の浅いところは水が濁りますので
    満足のいくダイビングとはならなかったでしょう。
    ただせめても救いは現在のところ5名が生還した事です。
    残りの2名も無事に生還して欲しいと心から思います。

  7. 旅途愉快 より:

    5名の生存者が出て何よりですが、残る2名の安否が気になります。


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