American airlinesとUS Airwaysが合併

American Airlines(以下、AA)とUS Airways(以下、US) の合併が2月14日に正式に発表された。合併後の社名は、American Airlines(以下、新AA)を維持し株式割当比率も、AA 72:US 28という事実上のAAによるUSの吸収合併である。この合併によりUNITED Continental、DELTAを抜き、旅客輸送数実績では世界一の航空会社が誕生する事になる。

Americanairlines

しかし新AAの前途は必ずしも前途は明るいとは言えないように思える。AAは2011年に邦破産法第11章の適用を申請し経営再建の最中である。パーカーCEOはAAとUSの競合路線が「900を超える路線のうち重複しているのは12路線しかない。」としているが、両社ともに就航路線は米国大陸が中心である。新AAに対抗するDELTやUNITED は、日本からの無制限の以遠権を持ち、日本を経由して東・東南アジア方面へ自前の路線を持っている。そのためこれらの航空会社は日本から中国やタイに行く際に利用便の選択肢にあがるが、以遠権を持たない新AAではそのような事がなく路線面では見劣りがすると言えると思う。

またAAはこれまで度重なる経営危機の過程で徹底的にコストカットを図ってきた。しかしその事はユーザには評判が悪く、搭乗客の2割が何らかのクレームを入れると言う。そのうえウィチタ州立大学が発表しているAirline Quality Rating(運航品質を調査)では、AAは2010年に11位、2011年は10位と低位に甘んじている。路線面、サービス両面で魅力が少ないとなると新AAが如何に顧客を獲得していくのは、難しい課題と言える。

ただアライアンスは、新AAはOne World に留まる(USはSTAR Alliance から脱退予定)との事である。One World のステータスホルダーとしては、新AAがうまく軌道に乗ってほしいと願っている。

6 responses on American airlinesとUS Airwaysが合併

  1. 餌釣師 より:

    >「900を超える路線のうち重複しているのは12路線しかない。」
    (→「だから最高の合併なんだよ」って事?)
    ⇒アメリカ人はこの手の話をするとき良い事ないしは「良い事」と思われやすい言い方(詐欺?)でしか話をしませんからね。
     『マイナス面をなぜわざわざアピールする必要がある?』というのが奴らの根底にあるので、日本人のようにへりくだるとか、正直にメリットとデメリットを提示してあげるという文化には合いませんね。
    ただアメリカじゃ大企業のCEOなりがそんなスピーチしても、受け取る側もそういったアピールを心から信用しているわけではないので、取引する側は自身で調べるわけです。
    評価基準も標準化されているし。
    日本だと、大企業の偉い方や権力者、有名芸能人、大手のメディア等が話すことを鵜呑みで信じてしまいますよね。
    某牧場と海●田さんのお話とか、ペニオクと某芸能人のブログの話とか(笑)
    その辺に日本の怖さがあります。
    と、話が違う方向に行ってしまいましたが、MKさんに対しては釈迦に説法でしたね。
    記事を拝見するにこの結婚が順風満帆で進むわけは無いという論調ですが、わたしもそう思います。

  2. いはち より:

    AAのしたコストカットの結果二割の利用客がクレームを
    付けた と有りますが、どのようなクレームだったのでしょうかね。
    二割ってすごいですよ。
    このままだと良い方向に進むとは思いませんが。

  3. あさと より:

    私が赤組中心の会員だったころ
    AAはアメリカのキャリアでは一番優秀で
    一番サービスも良かったと感じていました
    (実際南米旅行はAAを使いました)
    いまやそういうわけでもないんですね
    ただアライアンスとしては
    アメリカ内では脅威の路線網になるわけですから
    実際の運用面での調整が急務になるのでしょう
    ただ合併は路線を増やすとか
    そういう理由で行われるわけではないのだと思いますが
    なんか
    AAの国内線戦略の行方が気になります

  4. ま~く より:

    餌釣師さん
    確かにこの手の話で米国の人は良い事しかいいませんね。
    合併が如何に会社に利益をもたらすのかと言う事をアピールしないと
    株主訴訟なんて事にすぐに発展しますからね。
    へりくだると言うのは日本人独特の感覚で海外行くと、なんでそんな
    事を言うのと不思議がられることもありますね。鎖国というガラパゴス的
    な環境で長い期間を過ごしてきた民族ですのでやはり日本の感覚は
    諸外国と比べると乖離があるのでしょうね。
    おっしゃるように合併は旧AAの全てを解決する魔法の杖ではないと思って
    います。JALが経営破綻した時もDELTAのように具体的な資金面の支援を
    打ち出す余裕はなく「提携」と言う手段しか提示できなかったAAの状況は
    大きく変わっていません。
    (個人的にはあの時、JALにはDELTAとの提携に進んで欲しかったのですが)

  5. ま~く より:

    いはちさん
    確かに2割と言うクレーム率は高いですよね。
    CAの態度が悪い、乗り継ぎの案内がない、機内食がまずいなどクレームの
    内容は様々なようです。
    ただ良く聞くのは「以前のAAは良かった」と言う声です。
    まずはユーザの心をつかむの必要があると思うのですが・・・

  6. ま~く より:

    あさとさん
    南北の米国大陸を結ぶ路線が充実し実績の高い旧AAと、北米大陸内の
    路線を主力とする旧USですから確かに重複路線は少ないのかもしれません
    ただ世界一となった航空会社が米国大陸内のみでしか勝負できないのは
    以遠権を持つ他社と比べると大きなディスアドバンテージだと思っています。
    旧AAの国内路線を旧USを中心とし、旧AAは海外路線を拡充していくのなら
    活路もあると思いますが、現状の体力・政治力では厳しいかもしれません
    昔のAAは誇り高く最高のサービスを提供していたと言うのは良く聞く
    話ですが、現在では変なプライドが邪魔しているという話も聞きますね


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