YouTubeで公開されたタイ国際航空のA380の映像が話題となっている。映像は今年の3月13日に撮影されたもので、強い横風の中でクラブ方式(※後段で詳述)で滑走路にアプローチし着陸する様子が撮影されている。
成田空港は下総台地を始めとする大地群に囲まれた盆地のような場所に位置する。そのため低層乱気流・ウインドシアが発生しやすく着陸するパイロット泣かせの空港である。ウインドシアによって発生したといわれる、2009年3月23日にFedEx80便のMD-11が着陸に失敗、炎上した事故は記憶に新しいところである。
飛行機は基本的に風下から風上に向かって離着陸を行い横風には弱い。羽田空港ではA滑走路(16R-34L)、C滑走路(16L-34R)と、それとは直角方向のB滑走路(04-22)、D滑走路(05-23)があるので、風向きによって使用滑走路を変更し横風を受けずに離着陸するという運用が可能である。しかし成田空港のA滑走路(16R-34L)、B滑走路(16L-34R)は並行になっているため、横風を受けながら着陸しなければならないケースが発生する。
このような場合の着陸方法として最もスタンダードなのがクラブ(蟹)方式というアプローチ方法である。翼は水平のまま機首を風上に向け、自動車のドリフト走行のような状態で滑走路にアプローチする。そうする事によりできるだけ風を正面で受け、横風の影響を受けなくするのである。先のタイ国際航空のA380も見事なクラブ方式でのアプローチを見せている。
ただ接地に関しては少々ハードに行きすぎたのか、バウンドするような動きを見せている。強風の吹く中ではドスンと一気に接地した方が、接地間際の突風の影響を最小限に抑えられるのでハードに行くのはよくあることである。ただしハードに行きすぎて大きくバウンドしてしまうと、機体が損傷したりする危険があるので頃合いがむずかしいところである。
くだんのタイ航空機は少々バウンド動作が見られるが、機体に損傷を与えるほどではなかったようなので、まずまずといったところではないだろうか。最近のタイ国際航空は、トラブル発生とそれに対する不可解な対応が連続していたが、現場のパイロットの技量はなかなかのもののようである。
<タイ国際航空、今月のトラブル>
話題となっているタイ国際航空 A380の着陸シーン。
3D地図で見ると、成田空港周辺は台地が隆起し空港は盆地の中にあるような状態です。
(※PCの場合は画像クリックで拡大表示します)
こちらは2012年6月20日に発生した、ANAのNH956便(北京-成田便、JA610A)
機体が激しくバウンドし、胴体が変形してしまいました。
ハードランディングとソフトランディングというと、いつも仕事の落とし所を想像してしまう餌釣師がやってきました(笑)
よく飛行機に乗っていると、ハードランディングのときは「今日のパイロットは下手」とかソフトランディングのときは「今日のパイロットは上手い」とか訳知り顔で語っている人に出会います。
『判ってねぇなぁ』と突っ込みたくなるのですが、赤の他人なので控えています(笑)
このA380のランディングですが
伊丹を頻繁利用の人間にとっては
ちょっと直前に吹いたなあ…って感じですね
伊丹はほぼ常時横風を受けて着陸しています(笑)
巨体ゆえにあおられる上下動が大変大きく感じますよね
先の話ですが
同じ話題をしようと予定していました
私の場合は那覇空港の北入りの際のあおりの動画ですが
外から見てるほど
中ではあおりの影響は少ないんですね
餌釣師さん
飛行機に乗っている方としては、ソフトにランディングしてもらった
方が乗り心地が良いですからね。中途半端な知識しかない人ですと
おっしゃるような事をしたり顔で話す人がいますし、私もそういう人に
遭遇した事があります。
もちろん私も知らない人でしたのでスルーしておきましたが(笑)
仕事もソフトランディングで毎回いければ良いのですがね・・・
あさとさん
伊丹も箕面や宝塚方面の山から吹き下ろす風の影響を受けますのが
成田と同じく2本の滑走路は並行しているという状況は同じですね。
那覇空港は行ったことがありませんが海に面した空港ですので
海風の影響は受けるのでしょうね