ブレーキトラブル -2011年01月 上海酷冷録 Vol.10-

定刻より少し遅れてドアクローズとなった、JL876便はRWY34へ向けてタキシングを行っていた。タキシング自体は少しゆっくりしたペースで進み何度か誘導路で止まったりしながらも、20分ほどかけてRWY34の手前までやってきた。そして滑走路に進入し、90度向きを変えたら離陸するはずであった。

しかし小生が異変を感じたのは、その時である。通常であれば機内に離陸を開始することを知らせる、「ポーン、ポーン」という音が鳴らないのだ。おかしいなと思っていると、90度角度を変えて滑走路に向きを変えた飛行機はさらに向きを変え続けそのまま180度向きを変えて駐機場の方へ向けてタキシングを続けたのだ。

Imgp0190

しばらくすると機長からアナウンスが入り、ブレーキとタイヤの温度センサーが規定よりも高い温度を示したためにメンテナンスのために駐機場へ戻るという事が知らされた。メンテナンスは20~30分ほどで終わる見込みという事で、搭乗客は機内に残ったままメンテナンスの終了を待つこととなった。駐機場の沖止めスポットに戻ると、すでにそこには整備士たちが待機しており、飛行機のエンジンが停止するとすぐさまメンテナンスが開始された。すぐにタラップがつけられたが、搭乗客は機長話通り機内で待機することとなった。それ以降は以下のような経緯をたどることとなった。

  1. 駐機場に到着後すぐにタラップがつけられる
  2. 機内でソフトドリンクのサービスが実施される
  3. 30分ほどして左舷前方のドアが開く。搭乗客はタラップ上で携帯電話の使用を許可される
  4. 5分して給油を開始するので機内に戻るよう
  5. ドアクローズ
  6. 搭乗客全員が機内に戻ったところでシートベルトをはずすよう指示
  7. 給油開始
  8. 終了
  9. プッシュバック

そんな事でJL876便が再びタキシングを開始したのは、定刻より1時間半ほどしての事となった。その後は、トラブルにあう事もなく順調に日本へフライトとなったが、成田に到着したのはやはり定刻より1時間半遅れてのものとなった。

【2011年1月4日の搭乗】
 上海(浦東) – 東京(成田) JL876 B767-300ER

JL876 PVG-NRT B767-300ER

駐機場につくと真っ先に消防車がやってきて搭乗客の不安を掻き立てていました

JL876 PVG-NRT B767-300ER

トラブルを起こしたのは、こちらのブレーキのようです。

JL876 PVG-NRT B767-300ER

この日の私の座席は45A。トラブルのあったギアに近い場所です。

JL876 PVG-NRT B767-300ER

気を取り直してフライトです。機内では餌釣師師匠お勧めの海洋天堂を見ました。なかなか考えさせられる映画でした。

JL876 PVG-NRT B767-300ER 機内食

この日の機内食はこんな感じ。ちょっとハズレです。

JL876 PVG-NRT B767-300ER

出発時にトラぶりましたがフライトは順調そのもの。

JL876 PVG-NRT B767-300ER

遅れて到着したので、成田に着いた時には真っ暗でした。CAサン達は乗り継ぎ客の対応で大変そうでした。


10 responses on ブレーキトラブル -2011年01月 上海酷冷録 Vol.10-

  1. いはち より:

    以前千歳空港でボンバルディアエコプロペラ機が
    ブレーキトラブルのため稚内行きがキャンセルになった
    時に私は乗り合わせていました。
    同じように整備場では無くて、露天での作業でしたが
    結局ダメだったんですよ。で、稚内に行かずに羽田に
    返ってきてしまったんですが。
    給油中ベルトを外す指示は・・もしかして あの時のため
    でしょうか。

  2. 餌釣師 より:

    1.5 時間の遅れも人によっては大問題かもしれませんが、命あってのなんとやら・・・ですからね。
    海洋天堂、見てくれたんですね。
    海亀に託した父親の想い、切なすぎました(泣)

  3. あさと より:

    ブレーキの故障って確かに爆発はなさそうですが
    着陸してオーバーランするかもしれないわけですよね
    こわいです。。。。。
    この場合1度ドアクローズして出発したので
    不安だから降りると乗客が言っても基本だめですが
    機長判断では可能なようです
    ただCAさんはなかなか機長判断を仰ごうとせず
    自力で抑え込もうとっしますが・・・・

  4. くぅねる より:

    海外の空港でのトラブル発生は「ドキッ!」としてしまいます。
    自分が乗る飛行機に消防車が寄ってきたら、不安ですよね(^_^;
    すぐに処置できるトラブルで何よりでした。

  5. Dr.鉄路迷 より:

    シートベルトを外すのはやはり脱出のためでしょうか。
    中国の飛行機だったらそんなのお構い無しにやるんだろうな~

  6. ま~く より:

    いはちさん
    幸いにも私の場合はフライトキャンセルという憂き目には
    あったことがありません。
    搭乗客を降ろさない場合、駐機料の問題もあるのでPBBには
    つながないのでしょう。ベルトの指示は万が一の場合を考えて
    なんでしょうが、驚きました。

  7. ま~く より:

    餌釣師さん
    この日は仕事を休んでのフライトでしたので、もし帰れないと
    もう一日休むことになって大変なことになるところでした。
    なので2時間、3時間遅れても無事に到着することが肝要でした。
    海洋天堂、ちょっと切ない映画でしたね。

  8. ま~く より:

    あさとさん
    ブレーキに不安があるので、成田では4,000mあるA滑走路に
    着陸するかもなんて思っていましたが、通常通り短いB滑走路への
    着陸となりました。
    こういうケースは機長判断が一番に優先されますね。

  9. ま~く より:

    くぅねるさん
    くぅねるさんの先日の島流しのようにならなかったのは幸いでした。
    真っ先に近寄ってきたのが消防車でしたので、不安に思った乗客も
    結構いたようです。私はCAさんから色々情報を得ていましたので
    そんなもんかと思って見ていましたが。

  10. ま~く より:

    Dr.鉄路迷さん
    万が一、給油中に引火した場合に脱出するためでしょう。
    まぁ飛行機の燃料は灯油とほぼ同じですので、ガソリンと違って
    引火しにくいとは思いますが。
    確かに中国の飛行機ですと、あまり気にせずに給油しそうですね(笑)

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