古代の書の文化財で紙に筆で書かれた肉筆と呼ばれる形で残っている物は実は多くない。現代に残っている古代の書の文化財は大抵は「双鉤塡墨(そうこうてんぼく)」と呼ばれる手法で模写したものか、石に彫られた碑文という形で現存している。書を本格的に学ぶ人は、この石に彫られた碑文を紙に写し取った拓本(たくほん)と呼ばれる物を見て学ぶことになる。
そんな碑文を集めたのが、歙県博物館に隣接して設けられている新安碑園である。場所は先日紹介した太白楼近にある。現地の人に「新安碑園」と言っても分からない時が多いようなのでここを目指す場合は、歙県博物館を目指すのが良いようである。
こちらの碑園には「余清斎」と「清鑑堂」という有名な碑帖のほか、壊素の「自叙帖」、董其昌の「画禅室随筆」など、書を学ぶ物であれば垂涎の文化財が並んでいる。
残念なのは20年の経年劣化で当時撮影した碑文の写真の色落ちが激しい事である。大きな字の碑文については比較的問題なく現在でも見る事ができるが、細字の碑文を撮影した写真は殆ど文字の判別ができない状態となってしまっている。ネガフィルムを紛失した事を改めて残念に思う回顧となった。
新安碑園に入りましょう。
残念ながら細かい碑文ですと、現在残っている写真では文字が良く見えません
碑の文字は素晴らしいですが、写真はへたくそですね。
碑園の中は庭園になっています。
こちらも美しいですね。
建物の中に保存されている碑もあります。
こちらの碑園で一番有名なのはこちらの二つです。
私は楷書が専門でしたので
西安で欧陽の石板を見たときには震えるほどの感動をしたのですが
これは書をかじった人間にしかわからないことでしょうね
ネガを無くしちゃったんですかぁ・・・
痛恨の極みですね。
確かに中国って石に刻まれた文字が多いですよね。
赤壁もそう言えば、彫られてましたし・・・あれは後世に刻まれたものか(笑)
ご存じだと思いますが、魯迅公園あたりに、道にチョークで字を書いているおじさんがいますが、ごく普通のおじさんなのにその字の美味さと教養の高さにビックリする事があります。
お~。私の好きな中国がここにありますね。
最初は私もこの様な場所を好んで観光
していたんですよ。
ここに最初に行けば楷書に目覚めたかも。
今は隷書が趣味です。
碑文は当時は中国人がベタベタ素手で触ったりするからすり減って余計に文字が見えなくなったりするんですよね。
天壇にあった柱も金箔を施してあったのにみんなに剥がされたり。
中国人の旅行マナーというものを根本から変えないといけないと思います。
あさとさん
楷書、欧陽、とありますので、欧陽詢のことですかね
欧陽詢の楷書は確かにすばらしいですね。
現在の書壇でも楷書に関しては模範とされるものです。
私は欧陽詢の筆になる碑を見たことがありませんので
機会があれば見てみたいです
餌釣師さん
おそらく何回かの引っ越しで無くなったのだと思います
日本でも神社仏閣で石碑を見ることができますがあれはやはり中国の
影響によるものですね。石に刻むことで後世に長く伝えようと考えた
結果ですね
日本では年配者でも筆の持ち方もおぼつかない方が多いですが
中国ですとその辺のおっさんがすばらしい書を見せたりします
この辺りは中国の文化の奥深さを感じます
いはちさん
隷書もすばらしいですよね
私の専門は篆書ですが、隷書とは近い関係にあります。
こちらの碑園には行草の逸品も多いですので見どころ満載です
Dr.鉄路迷さん
こちらの碑園にあるものは貴重な品ばかりですのでそういったことが
ないように展示ケースに入ったものが多いです。
大切なものはきちんとガードしてあるんですね