プミポンアドゥンラヤデート国王の亡骸が王宮に運ばれて以降、王宮、ワット・プラケオでは連日葬儀が行われ、その様子はタイのすべてのテレビ局で中継されており、拙宅でもそれをつぶさにチェックした。しかしその様子を見ていて気になる点がある。プレム枢密院議長の姿がないのだ。
タイのチャクリー王朝では国王が崩御すると、その日のうちに次の国王が即位してきた。実際にプミポンアドゥンラヤデート国王も兄のラーマ8世が亡くなって12時間後に即位している。ところがプラユット暫定政府首相の即位の申し入れに対し、ワチラロンコン王子(皇太子)は「弔いと決意を固める時間が欲しい」として、これを留保した。これにより王位が空位となったが、憲法の規定により枢密院議長であるプレム議長が摂政の職に就き王務を代行することになった。
それにも関らずプレム議長が葬儀に姿を現さないというのは不可思議と言える事態である。プレム議長は1980年から1988年まで首相を務めた陸軍大将である。首相在任中の1981年に発生した「4月バカ・クーデター」ではプミポン国王と二人三脚で事の収拾にあたり、プミポン国王の深い信頼を得た。首相を退任し枢密院議長となった現在でも、プラユット暫定政府首相はプレム議長に重要局面の判断を仰いでいるとされる人物である。一説にはワチラロンコン王子がタクシン元首相と関係が深かった事に対し、プレム議長が不快感を持っているとも言われているが真相は謎だ。
またプレム議長が率いる枢密院は国王が在任中に次期国王を指名しないまま亡くなった場合、次期国王を選出し国会の承認を得るとされている。つまり次の国王を決めるキーパーソンとも言える人物である。プラユット暫定政府首相はプミポン国王崩御を伝える声明の中で、「次期国王は指名されている」としているが、これまで前国王の後継者指名の意思を示すものを具体的に提示されてはいない。
タイの政治というのは国民の見えないところで動くのが常であるし、ましてや外国人の小生にとっては予想もできない事も起きるものとう。折しも枢密院の意向が反映されやすい軍政下にあるタイ政局ですので、ひと波乱あるのかもしれない。
ワットプラケオで葬儀が行われています。
日替わりで別な寺院から僧が呼ばれ葬儀が執り行われます。
ワット・プラケオでの葬儀の最終日(10月20日)にはさらに気になる様子が。最終夜の葬儀に参列した王族はシリトーン王女のみです。それまでは王籍を剥奪された娘さんも含め、王族、元王族が参列していましたが不可解です。タイ人に聞いても息子が参列しないのはおかしいとのことでしたが・・・
迂闊なことは書けませんが
ここ一年で何らかのことが
誰が即位するにせよ起こるのが予想はできます
そしてそれがここ数年起こった政変?クーデターとは
広がりが違うであろうとも思っています
あさとさん
デリケートな部分がありますからね。
客観的な事実のみを拾い上げて記事にしています。
この1年でどのような事が起きるのかは注視しておく必要がありそうです。
何が起きているのかわかりませんが、国王陛下には安心して成仏いただきたいものですね。
餌釣師さん
タイ国民のために長年尽力されてきた国王ですので、あちらの世界ではゆっくりしてほしいものですね