格安SIM各社の比較 (2017年6月現在)

先日はSIM下駄と呼ばれるSIMロック解除アダプタを利用して、もともとSoftbankのiPone5S のSIMロック解除をした話を書きました。その際に利用したのは、FREE TELと言う所謂格安SIMと呼ばれるMVMO事業者のSIMでした。今回はそんなMVMO事業者のサービス(以下、格安SIM)の選定経緯について書いてみたいと思います。

前提条件

まず今回の格安SIM選定の背景を振り返っておくと、以下の前提があります。

  • メインで使うスマホではない
  • 通常はWi-Fi環境下でするため公衆網の利用機会は少ない

格安SIM各社はたいてい「通話+SNS+データ通信」「SNS+データ通信」「データ通信のみ」と3種類のプランを用意しています。しかし今回の選定背景を考えると、今回比較対象とするのは「データ通信のみ」で比較的データ通信量が少ない3G 以下のプランです。

格安SIM各社のプラン比較

事業者 回線 100MB 500MB 1G 1.1G 2G 3G 3.1G 備考
IIJmio Docomo 900
mineo Docomo 700 800 900
au 700 800 900
so-net (0SIM) Docomo 0 500 600 1,600 1,600 1,600 (※1)
FREE TEL Docomo 299 499 900 (※2)
UQ au 980
楽天 Docomo 900
OCN Docomo 1,100
BIGLOBE Docomo 900
NifMo Docomo 900
DTI Docomo 600 840
イオンモバイル Docomo 480 780

(※1)500Mを超えると100Mごとに100円加算(上限:1,600円)また5Gを超えると速度制限有
(※2)使った分だけ安心プランの場合
(※)価格は税抜金額

候補の選定

料金だけを比較した場合、0SIMとFREE TELが候補として考えられました。そこで両者を詳しく見てみると以下のような特徴が見えてきます

FREE TEL

  • データ通信量に応じた従量制
  • 低速モードと高速モードの切替可能
  • 最低利用期間の縛りがない・解約金がない
  • LINEなどのメッセンジャーアプリでのデータ通信料が0円

0SIM

  • データ通信量に応じた従量制
  • 3ヶ月通信しないと自動解約
  • 低速モードと高速モードの切替はできない
  • 最低利用期間(12ヶ月)内解約金5,200円

ソニー系列のso-netが運営する0SIMは500Mまでの通信料が無料と敷居が低いために、簡単には解約できないようになっているようです。また3ヶ月通信しないと自動解約になるというのも他の事業者にはない規定です。無料だからいいやとユーザが不必要なSIMを持つことの防止策なのでしょう。またSIMの契約ができるのは一人がSIM1枚のみと言う制限もあります。

小生の結論

ここで小生が注目したのは、低速モードと高速モードの切替についてです。以前にIIJ mioやNifmoを使用していた時もあった機能ですが、低速モードに設定して通信した場合の通信はデータ通信量にカウントされません。FREE TELの場合も、常に低速モード(200Kbps)で通信していれば299円に通信料を固定することが可能となります。スマホの場合、ユーザの意図とは別に通信する場合があるので、この機能は大変有用です。そこで今回はFREE TELを選択することにしました。

これから格安SIMを検討する方へ

ただしここで注意点です。小生の場合はメインに使用するわけではないので、この2社でも問題ありませんがメインで使用しようと考えている人に対しては、小生はこの2社をあまりお勧めしません。その理由は、通信速度です。「格安スマホ回線研究所」というサイトでの各社の回線速度の調査結果を見てみると、今年の4月の実測データは以下のようになっています。

事業者 回線 12時台 17時台 20時台 22時台
IIJ mio Docomo 0.43 Mbps 6.80 Mbps 4.75 Mbps 2.80 Mbps
mineo Docomo 0.57 Mbps 11.32 Mbps 7.25 Mbps 4.85 Mbps
au 0.35 Mbps 7.80 Mbps 4.13 Mbps 3.15 Mbps
so-net (0SIM) Docomo 0.37 Mbps 3.37 Mbps 3.25 Mbps 1.75 Mbps
FREE TEL Docomo 0.35 Mbps 4.10 Mbps 3.77 Mbps 1.30 Mbps
UQ au 14.80 Mbps 15.70 Mbps 15.87 Mbps 10.95 Mbps
楽天 Docomo 0.27 Mbps 8.95 Mbps 5.17 Mbps 1.90 Mbps
OCN Docomo 0.72 Mbps 12.00 Mbps 7.20 Mbps 4.40 Mbps
BIGLOBE Docomo 0.37 Mbps 11.65 Mbps 4.85 Mbps 3.13 Mbps
NifMo Docomo 0.70 Mbps 14.70 Mbps 7.12 Mbps 5.45 Mbps
DTI Docomo 0.40 Mbps 5.20 Mbps 3.85 Mbps 1.25 Mbps

FREE TEL、0SIMは通信速度に関しては「安かろう悪かろう」という実態が見えてきます。格安SIMを運営するMVMO事業者はDocomo から回線を借りているところが多く、「つながりやすいDocomo回線」などと謳い文句としているところもありますが、つながりやすいのと快適に通信できるのは別問題なのです。こうしてみるとやはりユーザの評価も高い、mineo(まいねお)やIIJ mioが優秀だと思いますし、小生もお勧めはと聴かれればこの両者を挙げます。また回線速度だけを見るとグループ会社内のau回線をほぼ制限なくUQが最速ですが、au回線は通信方式がDocomoやSoftbankと異なるので、使用する携帯電話機には制限があるので注意が必要です。

格安SIMは上手に使えば通信費を抑えることができます。しかし携帯電話の使い方は人によって様々ですので、自分にあった事業者やプランを選択する必要があります。そのためには自分がどの程度のデータ通信をしているか、通話はどの程度しているのかを正しく把握する必要があります。

6 responses on 格安SIM各社の比較 (2017年6月現在)

  1. あさと より:

    なんかね
    こういうかなりの数の競争がある市場の時って
    いずれどこかが淘汰され
    また新しいのができるって感じだと思うのですが
    これって市場経済的には正しいのでしょうけど
    私は古い人間ですので
    生活に密着しある程度恒久的な物の場合
    生理的に受け付けがたいのですが・・・・・
    特に高齢者予備軍としては
    いつまでも判断し続けなければならないということは
    苦痛でもあり
    また
    10年20年か先には出来なくなるという自分が想像もできます

    1. ま~く より:

      あさとさん

      携帯電話業界はお上の規制によって、大手3社意外の参入が可能となりましたが、現在は雨後の筍のような状態になっています。なんか電力自由化のときと状況が似ているなと感じています。

      但し今の格安SIMの会社の数は多すぎると思います。おっしゃるように、あと数年したら淘汰されたり合従連衡を図る会社が出てくるものと思いますので、動向を注視しています。

  2. 餌釣師 より:

    いや~偉いです、ここまで比較されているんですね。
    私には無理だ(笑)

    てなわけで、未だに普通にDoCoMoのSIMと古いサムスンのスマホです。
    先日、ドコモショップで「壊れても代替え器ありませんから」と言われました(笑)

    1. ま~く より:

      餌釣師さん

      メインの携帯はあくまでもDocomoなので、非メイン機材については極力ランニングコストを落としたかったので、いろいろ比較して見ました。まぁ必要に迫られてということです。

  3. ハニー より:

    私も通信のみの格安スマホです。同じように通信速度とかすごーく研究しました。でもってガラケーと併用してます。ファミ割を最大限に使っているため、格安スマホのみにはできず、でもガラケー⇒スマホに変更するには高いので、二台持ちとなりました。家ではWi-Fiだし、通信するのは通勤中だけなので、通信料は 二台で3000円前後です♪

    1. ま~く より:

      ハニーさん

      二台で3000円前後とはうまく格安SIMを活用されていますね。我が家も「常に最新のiPhoneを使う」というニーズがなければもう少し費用が抑えられるはずですが、そういう事情なのでそれ以外のところはなるべく費用を抑えるよう心がけています。


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