タイ・バンコクのスワンナプーム国際空港の利用者は年々増加しており2016年には5,500万人を超えています。空港設計上の許容量は、4,000万人でしたのですでにそれを超えている状況です。それに加え2本ある滑走路のうちの東側の滑走路(01R/19L)は開港直後より、亀裂が発生するなど度々問題が発生し使用できなくなるという事態が発生しています。これについてはIATAも標準以下の材料を使用した結果と問題視しています。
タイ空港公社(AOT)もターミナルビルの拡張や第3滑走路の建設などの計画しており、それらが完了すれば2021年までに年間9,000万人としています。しかしあのお国柄ですので実際に、これらが完了するのはそれよりさらに1・2年後でしょう。
そんな状況でタイ当局が目をつけたのが、どうやらバンコクの南東部の沿岸部にあるウタパオ国際空港のようです。2008年の反政府デモで黄シャツ軍団がスワンナプーム国際空港を占拠し、タイの航空網が麻痺した際に代替として利用された空港ですね。もともとはベトナム戦争時に米軍が作戦基地にした場所であり、近隣のパタヤの繁栄があるのは米兵の保養地になった故です。
ウタパオ国際空港のターミナル(Wikipediaより画像借用)
ウタパオ国際空港は位までは軍民共用の空港となっていますが、これを現行の滑走路延長、第2滑走路建設、ターミナルビル拡張等を経て10年後には年間3,000万人、年間15年後には6,000万人の利用が可能な空港にするとしています。またタイ国際航空もMRJを導入した際にはウタパオにメンテナンスセンターを設けることを検討しています。
またタイ政府もウタパオについてはEEC(タイ東部経済回廊)計画の重要拠点と位置付けており、今年2月にはドンムアン国際空港からスワンナプーム国際空港を経てウタパオに至る高速鉄道計画を承認しました。完成すれば総延長220kmを最高速度250kmで走るということです。
すでにウタパオ国際空港を拠点として国際線はエアアジアグループが南寧、南昌、マカオ、クアラルンプールに便などを運航し、今年からはカタール航空がドーハ-ウタパオ便の運航を開始しました。国内線も2社がサムイ、プーケット、ウボンラチャターニ、ウドンタニ、チェンマイ、ハートヤイなどの都市に運航しています。2018年のウタパオ国際空港の利用者は200万人を超えるだろうと言われています。
タイ東部は欧米人に人気のパタヤーをはじめとして、チャンタブリー、トラートなど魅力ある観光地を有しており、それらの街を目的地とする訪タイ者にとっては利便性の高い空港であると言えます。EECがタイの重要政策であることを考えればウタパオの整備は進むでしょうが、どのような形になっていくのかは注視していきたいと思います。
ウタパオ国際空港はバンコクの南東部にあります。
就航都市 | 運航会社 |
ウドンタニー | タイ・エアアジア |
ハートヤイ | タイ・エアアジア |
ウボンラチャターニー | タイ・エアアジア |
プーケット | タイ・エアアジア |
バンコクエアウェイズ | |
サムイ | バンコクエアウェイズ |
チェンマイ | タイ・エアアジア |
ウタパオ国際空港の国内線就航都市。それなりに便数もあります。
国・地域 | 就航都市 | 運航会社 |
中国 | 南寧 | タイ・エアアジア |
南昌 | タイ・エアアジア | |
浦東(上海) | 中国南方航空 | |
杭州 | タイ・エアアジア | |
長沙 | タイ・ライオンエア | |
ノック・エア | ||
マカオ | マカオ | タイ・エアアジア |
シンガポール | シンガポール | タイ・エアアジア |
マレーシア | クアラルンプール | エアアジア |
ハマド(ドーハ) | カタール | カタール航空 |
国際線就航都市はこちらです。こちらも増加傾向です。
※就航都市情報は2018年2月現在
スワンナプームの開港は
今思い出してみるとかなり急だったと思います
ターミナル内が出来上がっていないうちに開港
今でも到着階の天井などはむき出しのままの所がありますね
滑走路もそうだったんですね
航空管制にも問題がありますし・・・
私自身もうその年代にはタイに行くこともなくなってるでしょうし
バンコクオンリーなので利用することもないと思いますが
今後ウタパオの増便が起これば
今までより複雑な航路で
東からのスワンナプームへの進入がされるのだと思うと
あまり良い気はしません
あさと さん
スワンナプームの2本の滑走路は施工業者が異なるようです。問題が起きるのはいつも東側の滑走路で西側の滑走路は問題は起きないようです。噂によれば東側の滑走路は利権絡みで中間搾取があり施工業者に充分な資金が落ちなかったために、業者が基準以下の材料を使用したなんて話も聞きます。
スワンナプームとウタパオの距離は120km以上離れていますので、成田・羽田の倍以上離れていることになりますので、管制上もあまり問題にならないのではないでしょうか。
私にとってはウボンラチャターニ便があるというのがポイントです。帰省後にパタヤで遊んでから帰るなんて選択肢ができると面白いのですが・・・
220kmですか・・・。
遠いですね。
LCCなどが移転するでしょうが、そこまでの交通費も大変な額になりそうです。
Dr.鉄路迷 さん
バンコクからパタヤまではバスで2時間ほどかかりますので、バンコクに用事のある人はこれまで通り、スワンナプームやドンムアンを使うことになると思います。ウタパオの利用が見込まれるのはパタヤなどの南東部や乗り継ぎで別都市に向かう客になると思います
戦争で発展した例ですね。まあ、日本も半島の戦争のおかげで
いろいろな企業な大きくなったのですが。
さらにインフラが加速して経済成長する・・良いかもしれませんが。
成功すればですが。
いはち さん
地理的にベトナムには近いですので出撃拠点としては良い立地だったのだと思います。一方で当時のタイは空港なんかは多くありませんでしたので、米軍がそういった整備を主導したのでしょうね。タイに行くと私がいつも利用するウボンラチャターニ国際空港もやはりそんな経緯のある空港です