ベトナム、ロンタイン国際空港着工

ベトナム南部の最大都市、ホーチミン近郊のドンナイ省でロンタイン国際空港の着工式が3月上旬に開催されました。完成すればホーチミンの新たな玄関口となり、ホーチミン市内へは高速道路を利用し車で1時間ほどでアクセスできる見込みです。

全体計画では4,000mの滑走路を4本と4つのターミナルビルを建設し、年間乗降客7000万人を見込んでいるとの事です。今回、着工したのは第1期から第3期と3つに分けた工期のうち、第1期で2025年までに以下の施設を完成させるとしています。

  • 4000m・幅75mの滑走路1本
  • 誘導路
  • 駐機場
  • 高さ123mの管制塔
  • 年間旅客処理能力2500万人の旅客ターミナル1棟
  • 年間貨物処理能力120万tの貨物ターミナル
  • 機内食製造工場

現在、ホーチミン市内あるタンソンニャット国際空港がありますが、、利用者の増加から処理能力の超過が指摘されています。しかしながら市街地にあるために拡張が難しいい事や、騒音問題も抱えており、新空港の建設が課題になっていました。ロンタイン国際空港の建設にあたっては日本の国際協力機構(JICA)の協力の下、行われるようです。

当初の予定より4年ほど遅れて着工に至りましたが、ロンタイン国際空港については解決できていない課題があるなかでの着工となりました。最初の課題は空港のアクセスです。第1期完了時には鉄道によるアクセスができずに、空港への移動は車に限られます。

またタンソンニャット国際空港の取扱も課題です。マスタープランでは、ロンタイン国際空港開港後はタンソンニャット国際空港は廃港とする事が望ましいとされています。しかし2007年に日本のODAで建設されたターミナルは比較的新しいうえに、全面移転となるとその移転費用も調達する必要があります。そのため、ロンタイン国際空港開港後も当面はタンソンニャット国際空港は国内線専用空港として存続するようです。

しかしながら新空港開港後にもともとあった空港の扱いが、右往左往するのは日本でもタイでも発生した事ですので、タンソンニャット国際空港の扱いをきちんと定める必要があるように思います。


第1期の完成予想図。特徴的な形状のターミナルビルになるようです


マスタープランによる全体の配置図。2050年にこうなる予定との事です

2 responses on ベトナム、ロンタイン国際空港着工

  1. あさと より:

    横風用がない4本の滑走路というのは
    日本では珍しいというか
    なぜ?と思われがちですが
    インドシナ当たりではこれでよいのだと思います
    風向きの大きな変化は・・・少ないですからね

    しかし最初にアクセスを道路に設定するのは
    危険なような気がします
    これほどの大規模空港が活用されるには
    ベトナムの裕福層だけの利用ではかなうはずありません
    一般庶民も使わなければ赤字まっしぐらです
    貧乏人はバスで来いというのは
    後進国の20世紀までだと思います

    1. ま~く より:

      あさとさん

      おっしゃる通りアクセスの問題は開港時点でクリアしていなければならない問題ですね。ベトナム人の平均所得なんかを考えてもこれだけの大空港の需要があるのかという点も疑問な部分があります。そんなこともあってか、着工に関しては大幅に遅れたようです。


コメント記入欄

※メールアドレスは管理者のみに通知されます。