タイと日本の婚姻制度比較

日本の最高裁判所が夫婦別姓と女性の待婚期間に関する法律の規定が、憲法に違反するかどうかの審理を開始する事が大きく取り上げられた。最高裁判所の判断は注視するとして、現状の仕組みについて日本とタイの制度を比較してみたいと思う。

【夫婦別姓】
日本では日本人同士が結婚した場合は、夫か妻のいづれかの姓を名乗ることになっている。(外国人と結婚した場合は、相手国の戸籍を日本が無理やり変えることはできないので、夫婦別姓をとることも可能)

タイでは以前は法律の規定で「妻は夫の姓を名乗ること」という規定があり、結婚した女性は必ず夫の姓に改姓する必要があった。しかし2005年に法律が改正となり夫婦別姓が認められることになった。興味深いのは婚姻後の姓についてタイでは 「夫の姓を名乗る」、「妻の姓を名乗る」、「新たに姓を作成する」、「夫婦別姓をとる」の方法が認められている。

新たな姓を作成することが出来るというのがなかなかユニークな点であるように思う

【待婚期間】
日本では女性は離婚後6か月を経過しないと再婚できないと法律で規定され、これが今回の最高裁判所が判断する点となっている。

一方でタイはというと、この待婚期間が310日となっており日本よりも長い。ただこの規定には例外条項があり、医師による妊娠していないことを証明する書類(婚姻届を提出する日または前日日付のもの)を添付すれば、310日を待たなくても再婚が可能となっている。

日本もタイも女性の待婚期間は離婚後に生まれた子供が前夫、新夫のどちらの子であるかわからなくなる混乱を防ぐための規定であることを考えるとタイの仕組みの方が合理的なように思う。


6 responses on タイと日本の婚姻制度比較

  1. あさと より:

    確かにそうですね
    持婚期間というのは大変重要な意味合いを持って制定されていますからね
    何も考えずに「なんで女性だけ」と思ってしまうオネイさんには
    小学校からやり直してもらいましょう
    タイの方式ですが
    確かに合理的な実際に沿ったやり方ですね
    でもこれ反面
    アジア独特の「賄賂」発生の要因にもなりそうですね
    タイも中国同様官の賄賂による懐柔は日常茶飯事のようです

  2. いはち より:

    はい。離婚時に使うエネルギーに比べると
    再婚時に使うエネルギーはかなり少ないはずです
    あさとさんが仰る通り「なんで女性だけ」と
    言った考えを持つ人とは結婚したくないですな。
    医師から妊娠していないと言う証明を云々については
    もし、新たに結婚する男性との子どもを妊娠
    していたら・?と考えてしまいました。
    難しいですな。

  3. ま~く より:

    あさとさん
    待婚禁止期間はおっしゃる通り、意味があってのものですね
    男女に体の機能が違う以上は仕方がない事だと思います。
    賄賂の問題は東アジアではよくあるお話ですね。
    ベトナムなんかもそのあたりは酷かったです。

  4. ま~く より:

    いはちさん
    日本でも別居している女性が別な男性との間に子供ができて
    というケースはあるようです。その場合は調停や裁判を通じて
    本当の父親を確定させることになるようで、ややこしい手続きが
    必要になるようです。
    離婚は確かにエネルギーを使いますね
    結婚は勢いでできてしまったりしますが・・・

  5. 餌釣師 より:

    夫婦別姓が認められたのは、中華系タイ人からの要望でしょうかね?
    待婚期間については原則があって、そこに例外事項として医師の診断が云々というのは合理的で良いと思います。
    確かにこの期間が必要とは思いますが、杓子定規過ぎるのもそれはそれで、本来の目的の意味合いより法律を守る事が重要になってしまうのでね。
    本件、ダルちゃんの件でも話題になってますね。

  6. ま~く より:

    餌釣師さん
    タイで選択的夫婦別姓が導入されたのは、国際的な人権に対する
    流れをくんでという所のようです。国内的な圧力があってという事
    ではなかったようで、夫婦別姓に関する国会議論が持ち上がっても
    法案成立はかなり遅れたようです。(国会事情もあるとは思いますが)
    昨今は様々なケースがありますので、ダルビッシュ投手のような
    ケースもそれなりにあるのではと思います。まぁこうしたケースの
    場合は様々な法的措置を講じて父親を確定していくわけですが
    なかなか大変なようです

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