外国語を学ぶテキスト

外国語を勉強する場合、多くはテキストを元に勉強していくことになると思う。しかしテキストで覚えた言葉が、現地で一般的に使われている言葉と違うという場面に遭遇することがある。
たとえばレストランでお会計を店員にお願いするとき、たいていの中国語のテキストには以下のように書いてある。
 结帐
しかし実際に小生が上海で仕事をしていた時は、この言葉を聞いたことがなかった。代わりに現地の人が使っていたのは
 买单
という、言葉である。このことを周囲の中国人に話すと、「结帐」でも間違いではないがあまり使わないよ。という答えが返ってくる。中国語は同じ標準語でも地方によって言い回しが異なる場合はあったりするので北京あたりでは、「结帐」言っているのかもしれないが少なくとも上海では「买单」という言葉が一般的であった。
またトイレに関しても、以下のような違いがある。
 厕所 (テキストの標記)
洗手间 (現地で見られる標記)

日本語でも口語体と文語体で標記が変わったりするが、そんな違いなのかもしれない。ちなみにレストランなどで店員を呼ぶ時もテキストにはたいてい「小姐」と記載されているが、中国現地(特に北の方)ではこの呼び方が夜の商売の女性をイメージさせるとして嫌われることがあるらしい。店員に呼びかけるには「服务员」と言うのが無難である。外国語を学ぶというのは改めて難しいなと感じさせるエピソードである。
余談であるが先日ネットを見ていたら、抱腹絶倒もののタイ人向けの日本語テキストが紹介されていた。これを身近なタイ人に見せたところ、私はこのテキストで日本語を勉強したよとの答えが返ってきた。どうりで怪しい日本語を使うわけだとこちらは妙に納得した出来事であった。

12 responses on 外国語を学ぶテキスト

  1. 鉄路迷 より:

    厠所と洗手間は便所とお手洗いの違いのようなものですね。
    私は駅などでは厠所、レストランなどでは洗手間で言っています。
    実際のトイレが綺麗そうかそうでもないかで使い分けているのですが。。。

  2. いはち より:

    確かに,厠所はどこですか?と中国のレストランで
    聞いても答えてくれないお店もありました。
    私の発音が悪いのかもしれませんが。
    小姐は確かに夜のご商売を連想させるので女性を呼ぶ場合
    小○○と名前の前に小を付けて呼ぶことが良いでしょう。

  3. あさと より:

    トイレのことは大陸と台湾は同じなのですね
    便所が使われる時もある点が元日本だった名残でしょうか
    小姐は台湾ではすでに「すみません」的な呼びかけの言葉になっていますね(笑)
    台湾では各自英語名がありますので
    それで呼ぶ場合は職業的な意味合いが出てきたりなんかする時もあったりします・・・

  4. 餌釣師 より:

    私が中国語で始めて中国人とコミュニケーションとれた言い回しが「厕所在哪里?」でした(笑)
    この言い回しだけは、中国の何処に行っても聞き返される事がなく通じます。
    タイの日本語テキスト、良いですね。
    T.Kikuchiさんに会ってみたいです。

  5. 旅途愉快 より:

    大陸では厠所はよくみかけますが、台湾では厠所は見かけず、洗手間ばかりだったような気がします。
    この辺は台湾は便所というストレートな言い回しをしないどこか洋風チックな感じがします。

  6. Akiko より:

    こんにちは。
    厠所は、香港か台湾かどちらかに旅行に行ったときに何度か見かけた気がします。上の方のコメントから推測するに、香港だったのでしょうか?
    英語でも、イギリスではよく使われるけどアメリカでは通じなかったり、それぞれの国で意味が違ったりするような言葉がたくさんあるので、中国語もそうなのかなと思います。ひとつのテキストでそういった地域差をすべてをカバーするのは難しそうですね。

  7. ま~く より:

    Dr.鉄路迷さん
    厠所と洗手間は確かにそのような使い分けがありますね
    ただ日常会話で話していると厠所という言い方を聞くことは私の
    経験では皆無でした。でも厠所と言っても通じるのは確かです

  8. ま~く より:

    いはちさん
    大抵は子供のころからの愛称がありますので仲良くなれば、
    愛称で呼ぶのも良いでしょうね
    (たとえば名前が琳だったりすると、琳琳と呼ばれていたり)

  9. ま~く より:

    あさとさん
    おっしゃるように台湾では「すみません」的に小姐と呼ぶようですね
    以前に台湾駐在経験のある人と一緒に上海に行ったときにレストランで
    小姐と呼んだら無視されたなんて光景を目の当たりにしたことがあります
    確かに台湾では小学校のうちに英語名を付けるようですね。
    なんでも授業の中で自分で英語名を決めるそうで、なかなか自分で
    決められなかったりする先生に勝手につけられたりなんて事もある
    ようです

  10. ま~く より:

    餌釣師さん
    私が初めて中国人と中国語でコミュニケーションをとったのは
    「多少銭?」という言葉でした。まぁ一番最初に中国に行ったのは
    旅行者としてでしたからね
    タイの日本語テキスト、恐るべしです(笑)

  11. ま~く より:

    旅途愉快さん
    そういえば台湾に行った時にトイレの表記がどうだったのか記憶が
    ありません。あまり意識していなかったのかもしれません
    今にして思えばきちんと確認しておけばよかったです

  12. ま~く より:

    Akikoさん
    厠所の表記は、おそらく香港なのではないでしょうか。
    英領で中国本土と隔絶されていたこともあり、言語的な変遷が及んで
    いないケースがあるものと思われます。
    (もっとも香港の広東語は全く異質ですが・・・)
    中国の場合、一応北京語が標準語で学校でも北京語で授業が行われる
    のですが、なにせ広い国ですので訛りがひどい場所があります。
    その結果、相手がこちらのいう事をわかっていても返ってきた言葉を
    こちらが理解できないなんてことがしばしば地方では置きます。
    中国のTVでほとんどすべての放送が中国語字幕付で放送されていますが
    理由はやはり訛りの問題です。
    先日、Akikoさんが行かれた上海の上海語でも「ニーハオ」は「ノンホー」
    となりますしね


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