浪速のA氏が「いい加減な国のいい加減な会社」と評する、タイ国際航空であるが、最近の動きを見ていると少々迷走気味な感がある。そのキーワードはLCCである。
2011年9月タイ国際航空は社内の別ブランドとして、「Thi Smail Air」を立ち上げた。この時点では分社はせずに、フルサービス航空会社とLCCの中間レイヤーを目指すとしていた。そして新規にA320-200をリース調達し、本体と酷似しているものの独自塗装での運航し、初年度はバンコクとタイ国内地方都市を結ぶ路線を開設し、2013年にはASEAN諸国、中国、インドへの国際線を開設するとしていた。
機内サービスではサンドイッチなどの軽食は無料で提供されるが、しっかり食事をしたい搭乗客には有料で食事の用意もされている。またすべて機内はすべて3-3のコンフィグとなっているが、国内線を含めビジネスクラスの設定がされている。ビジネスクラスでは3席のうちの真ん中のシートを空けてスペースを確保するという欧州域内の航空会社のスタイルがとられている。
しかしタイ国際航空には49%を出資するNok Air(ノックエア) というLCCがある。Nok Air との路線競合や、「フルサービス航空会社とLCCの中間」という路線の曖昧さからかタイ国際航空、Thai Smile、Nok Airの位置づけが曖昧になっていく。このため2011年11月にはタイ国際航空の取締役がThai Smile の分社化を示唆する。
そうして2013年1月行われたタイ国際航空の取締役会で3者の位置づけについて協議され以下のような結論を得たようだ。
【タイ国際航空】
フルサービス・キャリアとして、長距離路線をワイドボディで運航。ハブ空港はバンコク・スワンナプーム国際空港とする
【タイ・スマイル】
分社・子会社化(名称:Thai Smile Airways)する。 飛行時間4時間以内の国内線、国際線を狭胴機(ナロゥボディ)で運航し、 スワンナプーム国際空港にタイ国際航空で到着した搭乗客の接続便を運航
【ノックエア】
2地点間をPoint to Point 結ぶ路線に特化。 ドンムアン空港をハブとし狭胴機(ナロゥボディ)、または小型機材で運航
3者の位置づけについて一応の結論がでた形であるが、そこはタイの会社だけにすんなり行かないのではと見ている。現にタイ・スマイルの運航路線は収益の高いマカオ線は就航以来運航しているものの、そのほかの路線はタイ国際航空から引き継ぐ形で国内線ばかりである。国際線路線については具体的な路線開設の話は聞こえてこず、さながら「タイ国内航空」のような状態となっている。またノックエアについても出資引揚げを検討しているとの話もあり、まだまだ紆余曲折がありそうである。
タイ国際航空のサイトでは札幌就航のキャンペーンが展開中。
タイ・スマイルのサイト。サイト中にエラー表示がありますがTGにしろタイ・スマイルにしろ良くある事です(笑)
マカオ~バンコクまで飛ばしている夢のような会社ですね。
何故か往復運賃で買うと高い?
お金に余裕が出来たら、マカオに泊まって次の日に
バンコクに・・なんて言うのも良いかも。
蛇足ですが成田~バンコクはタイ国際航空で往復4万弱で
行けるのですね。HPで知りました。
大企業のことですから
いい加減な国民性だけではなく
経営戦略やアジア特有の利権があるんでしょうが
それを良しとするのがタイっぽいですね
サービス内容の中間的なのもそうですね
それが耐えられない部分と
心地よい部分があって
タイフリークが多い理由のひとつです
昨今のアジア事情を見るにつけ、航空会社のみならずいろんな業種で「見切り発車的」なシーンに出会いますね。
先ずは形だけ作って、(今回のように)無理繰りコンセプトを追随させるとか、箱は先行で作り始めて許認可は後追いで進めるとか・・・一歩間違えば、巨大な投資が一気にパーになるリスクも孕みます。
まぁ日本みたいに最終承認に至るまでに気の遠くなるような時間がかかる組織ではこんな事はありえないのですが、アジア諸国では(日本で1年かけても決められないような事を)トップが即決でGoサインを出すような例も珍しい事ではありません。
>まだまだ紆余曲折がありそうである。
⇒なもんで、先方が当初に思い描いていた形になるとは思えませんが、ご指摘の通りまだまだ絵図らは変わりそうですね。
で、最後は落ち着くところに落ち着くと。
いはちさん
確かに香港まで日本の航空会社で行って、マカオからThai Slime
でバンコクに行くなんて使い方もできますね。マカオで儲けてから
行けばバンコクで豪遊ができます(笑)
恐らくその値段は燃油サーチャージ無の値段かと思います。
バンコクあたり往復86USD/片道の燃油サーチャージがかかります
のでご注意ください
あさとさん
確かに大企業ですので戦略のもとに動いているはずとは
思いますが、あまりにも朝令暮改的なようにも見えます。
フルサービスとLCCの中間とは、どの程度の物か実際に体験
してみたいとは思います。
餌釣師さん
昨今のビジネス環境ですと、充分に時間をかけて検討してから
新しい事をスタートすると言う余裕はなくスピードが求められますね。
おっしゃるように見切り発車的なケースも多く見られます
LCCに関しては日本は時間をかけて検討していた結果なのか
結果的に外国勢に押し出される形での参入になりましたね。
> 最後は落ち着くところに落ち着くと
私の予想では少し書いたように、Thai Smile = タイ国内航空
となるのではないかと思っています。