イサーンの住居 -タイ・ソンクラーン録 Vol.15-

ここからはイサーンの生活の一端を紹介していこうと思う。イサーンと言っても広い地域なので小生の体験したものがイサーン地域すべてのものではないとは思うが、イサーンの中の一地域の例として読んでいただければと思う。イサーンでの滞在先となったのは、ムアンアムナートチャルーン郡にある小さな村にある、日本在住のタイ人が所有する民家である。そのため詳しい場所や詳細な建物外観の公開は控えさせていただきたいと思う。

以前のイサーンにおける典型的な住居と言えば、かなり高さのある木造の高床式の住宅が多かったようだ。壁のない1階部分では牛や鶏と言った家畜を飼育し、人はその上で寝ると言う形だったようだ。通気性が良く暑いイサーンの気候を考えての家の作りとなっていたようである。現在では農業も機械化が進み牛を使って田畑を耕す牛耕が減った事もあり、牛を飼う家も減ってきている。そのため高床式の住居もあまり見られなくなってきている。

しかしそれに代わって表れたのが、竹や木でできた縁台を設えそれを覆う屋根を設けた家である。そんな庭の縁台を生活の中心の場として、いる家が現在では主流となっている。つまり食事をするのも縁台だし、仕事がない日は一日座って話すのも縁台である。雨が降らなければ男が寝るのさえも庭にある縁台でという事になる。

そんなオープンな環境は住宅だけでなく、イサーンの人のマインドも同様であるようだ。生活の中心の場が、そのような状況なので当然、食事をしている様子は敷地外からも視認する事ができる。日本人であれば、もし訪ねて行った相手が食事中であれば出直そうと考えるところであろうが、彼らはそうではない。訪ねて行った相手が食事中であれば、その輪の中に加わり一緒に食事をし、話をするのだ。もちろんその事で嫌な顔をする者など一人もいない。

昨今の日本では、隣家にどんな人が住んでいるか分からないなどと言うケースも珍しくないが、住環境とともにそのマインドは日本人の想像もつかない位オープンなようである。

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滞在先となったのはこちらの民家。ぼかしを入れておきます。

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村の様子はこんな感じ。ド田舎です(笑)

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村のどの家にもタイの国旗とタイ王室の旗が掲揚されています。

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左の縁台が生活の場になります。

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こちらの家も右の茅葺部分が縁台になります。

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村の中には古い家もいくつか残っています。こちらのように高床式になっています。

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壁のない部分は農機具が置かれていますが、かつては家畜を
飼育する場だったそうです。

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ただ最近はこういうお洒落な家も増えているようです。

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こちらでは鉄筋コンクリート2階建ての家が建築中でした。


8 responses on イサーンの住居 -タイ・ソンクラーン録 Vol.15-

  1. いはち より:

    祭日でも無いのに国旗を掲げるのでしょうか。
    横張りの家屋は建てるのに時間がかからなそうです。
    これなら建設費も安くあがりそうです。
    三枚目の写真は沖縄の竹富島みたいです。
    で、一番最後の写真は吉野ヶ里遺跡みたい。

  2. 餌釣師 より:

    いや~まさにホームステイ・・・いや、世界ウルルン滞在記の世界ですね(笑)
    こういった所でノンビリ暮らしたら、日本に戻るのがイヤなっちゃいそうです。
    ちなみにこちらでは蚊は出ませんでした?
    私、BKKで何度か刺された事があるんですが。

  3. 旅途愉快 より:

    仰る通り日本は最近近所付き合いがかなり減少して隣にだれが住んでいるか分らないといった現象がかなり増えていると思います。
    これも都市化の現象と言ったことでは片づけられず、最近は近所付き合いがストレスに感じてあえて近所付き合いを避けると言うケースも増えています。
    私からすると昔ながらの近所付き合いは大切だと思うのですが。

  4. あさと より:

    イサ―ンももとは高床でしたか
    カンボジアがそうですので
    イサ―ンもそうだとしても何ら疑問もありませんね
    北西部のビルマとの国境あたりの少数民族も高床式でした
    スマトラの高床式とは違う感じですが
    やはり
    高温多湿の気候に見合った建築様式なのでしょうね

  5. ま~く より:

    いはちさん
    コメントが重複していましたので、片方を削除させていただきました
    平日や祭日の別なく国旗を掲げているようです。
    そのため結構、陽に焼けた国旗を見かけることもありました。
    横張の家ですと大きさにもよりますが日本で国産車を買うくらいの
    金額で建てることも可能なようです

  6. ま~く より:

    餌釣師さん
    そうですね。まさに世界ウルルン滞在記の世界です。
    今回のシリーズ名も、「イサーン・ウルルン滞在記」とか
    「タイの田舎に泊まろう」なんてのも候補だったのですが、後半の内容と
    マッチしないのでボツにしました。
    かつてインドネシアでデング熱の患者に遭遇した事がありますので
    東南アジアに行く際には蚊には気をつけています。折しも出発の直前に
    タイでデング熱の流行の兆しがあると報道されていましたので余計でした。
    ですので今回は部屋に置くタイプと、腰にぶら下げるタイプの2種類の
    ベープを持って行ったので蚊には刺されませんでした。
    もちろん蚊を目撃した事は何度もありましたよ

  7. ま~く より:

    旅途愉快さん
    日本でも地方都市の場合はまだ近所付き合いがあるにしても都会に行くと
    おっしゃるように隣がどんな人かわからないと言うケースも多いですね
    故に犯罪者の潜伏先が都会のど真ん中だったなんて事も起きていますね。
    タイの近所付き合いを見ているとこういうのも良いなと感じますよ

  8. ま~く より:

    あさとさん
    高床式の住居は東南アジアの気候に合っているのでしょうね。
    加えてタイ南部のように河川の氾濫が頻発するようなところの場合は
    余計に高床式の住居の方が安全です。
    タイの中では比較的水に乏しいイサーンでも暑さをしのぐと言う
    観点ではやはりすぐれた面があると思います。

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