関東地方ではソメイヨシノは、すっかり葉桜になってしまったが福島県南部では先週末に桜が満開になるという話であったので出かけてみる事にした。いくつかの候補地の中から、小生が訪れる事にしたのが福島県いわき市にある、勿来関(なこそのせき)であった。
勿来関とは、蝦夷南下の防衛拠点として設けられた関で、古代から歌枕として詠まれた場所である。古代から近代に至るまで、多くの文学者によって勿来の地を詠む歌が残されている。その一例を以下に挙げたい。
みるめ刈る 海女のゆきヽの 湊路に 勿来の関も わが据なくに (小野小町)
惜しめども とまりもあへず 行く春を 勿来の山の 関もとめなむ (紀貫之)
吹風を なこその関と おもへども 道もせにちる 山桜かな (源義家)
みちのくの勿来へ入らむ山がひに 梅干ふゝむあれと阿がつま (斎藤茂吉)
このように時代を超えて時の文学者に親しまれた勿来関であるが、実はその所在地は古くから分かっていない。いわき市がその所在地とされたのは、江戸時代になり「なこそ」の地名が着目され、所在地と見たてられるようになったためであり歴史的な考証や、考古学的な何らかの発掘があったからではない。そのため、いわき市勿来が勿来関の所在地だとするのは誤りであるというのが歴史学者の一般的な学説のようである。
しかし、いわき市が勿来関の所在地であったとされると、江戸時代から観光地化事業が進められる事になった。その観光地化事業は現代に至るまでも続けられ、一帯は「勿来の関公園」として整備され多くの植栽が植えられている。また中核施設として、勿来関文学歴史館が建設され、勿来関に関連する文学資料の展示を行っている。
そんな歴史的な真贋はともかく、小生が勿来を訪れた時は期待通り桜が満開となっており、今年最後になるである花見を満喫する事が出来た。
写真の右に写っているのは源義経像です。
一応、こんな石碑もあります。
奇妙な形の松。どうしたらこんな形になるのでしょう。
桜の状態はちょうど良い感じ
こんな感じで満開です。
こちらはしだれ桜。ソメイヨシノよりは赤みの強い花ですがより赤を強調して撮ってみました。
しだれ桜を近くに寄って
ソメイヨシノよりこちらの桜のほうが、私は好きです。
こちらはヤマザクラ。海を望むところに咲いています。
こちらも海をバックに
葉が出ているのもアングルを工夫すると良い感じです。
最後は芽吹きのモミジです。
口コミは勿来からだったのですか~
しだれ桜は見事ですな。
私もここには(白井に住んでいた頃)よく日帰りで
ドライブに行きました。
静かで良いところです。
もしかしてこちらへも今日子ちゃんで行ったんですか?
かなり活動的に動いてますね。
GWあたりはもう少し北に桜前線が上がっていくんですかね?
今年の開花は全般的に遅いと言われていますのでもう少し桜が楽しめそうですね。
今回は勿来でしたか。
けっこう時間かかりました?
勿来は難読ですね。
飛行機のモニターに出てくるマップに出てくる地名になぜか勿来があるんですよね。
いわきとかだったらわかるだろうに、勿来で表示されてもわかりづらいと思うのですが・・・。
ちょうどいい時に行きましたね。
いはちさん
そうです。あの時の目的地は勿来だったのです。
私は初めて行きましたが海と山に恵まれた良いところですね。
あまり観光地化されすぎていないとことろも良いです
餌釣師さん
原付で行こうかかなり悩んだのですが、結局はクルマで行きました。
先日の水戸までが片道3.5時間でしたので、勿来までとなると
片道5時間はかかるだろうと予想され、日帰りは少し厳しいかなとの判断です。
仙台あたりでも桜の開花宣言がありましたが、東北地方はやはり
GWのあたりが桜の良い時期かもしれませんね。
Dr.鉄路迷さん
今回はクルマで行きましたので定番自動車道で片道2時間ほどです。
久しぶりに100km/hの世界を味わいました。
確かに勿来は難読ですね。
いわき市には、航空路監視レーダーがあるので「いわき」という
名前が出てきてもおかしくはないところですが、レーバーの
ある場所はいわき市でも勿来地域ではないんですよね。
謎です。
ここも見事な桜の名所なんですね
いくつもの種類があるということは
ちゃんと桜守がいらっしゃるわけですね
東北は桜の木も塩で咲かなくなった木があると聞きます
少しでも早くほんとの春が来てほしいものです
あさとさん
人為的に観光地化された場所だけに桜も含めて植栽の管理は適切に
行われている印象を受けました。勿来関のある場所は海を望む写真
からもわかるように少し高い場所にありますので、ここまでは
津波が到達しなかったものと思います。
いわき勿来に来ていただきましたことありがとうございます。
ウィキペディアなどでは、実は関の所在地が不明、あるいは所在事態が疑問とか出ていますが。当会HPに詳述しましたが、いくつかの明確な一次、一級の史料を発見しましたので
ご覧いただければ幸甚です。「やはり勿来関はいわきだった」ことになると思います。
是非また桜の咲くころお越しいただければありがたいです。
勿来関研究会さん
少し前の記事になりますが、コメントを頂きましてありがとうございます。
現在は新型コロナウィルス(COVID-19)の影響で、なかなか勿来まで行くのは憚られますが状況が落ち着いたら訪問したいと思います。