先日、コカイン常習者だのバイセクシャルだの報道がされ芸能界を電撃引退した元俳優さんが、滞在しているとも噂されているタイ・バンコクで薬物絡みの事件が発生しました。
【タイ】タイのテレビ報道によると、21日午後、中型トラックがバンコク都内のペチャブリ通りからトンロー通り、エカマイ通りにかけて暴走し、自動車30台、バイク6台に衝突した。
警察はトラックのタイヤを銃で撃ちパンクさせ、運転していたタイ人男(27)を逮捕し、車内にあった少量の覚醒剤を押収した。男は尿検査で覚醒剤の陽性反応が出た。
男は取り調べに対し、「建材を運んでいる最中にバスレーンを走り、警官に止められた。金がなく罰金を支払えないので、トラックで逃げた」などと供述。覚醒剤については、「妻に捨てられ、気分転換のため、覚醒剤を摂取した」と話した。
(2016年12月22日 newsclip)
実はタイでも違法薬物の蔓延が社会問題となっています。小生の周囲でも知人が薬物絡みで警察に連行されたなんて話を耳にする機会もあったりします。
実はタイでは薬物に関しては根深い問題となっています。事の発端はチャクリー王朝時代にタイに流入した華人が阿片を持込み重労働に耐えるためとして使用していた事に始まります。その後、阿片窟は国が管轄する所となると、財政状態が脆弱であったチャクリー王朝の貴重な財源となっていき、阿片に対する禁止措置を取る事が出来なくなります。
そんななか1959年に首相に就いたサリット・タナラット首相は、阿片を完全に非合法化するものの、広く広まった阿片の取締りは困難を極めます。特にタイ北部のでは低温・低肥料で育つケシ栽培は貴重な収入源となっており、違法栽培はなかなか根絶できずにいました。1980年代になるとラーマ9世(プミポン前国王)の王室プロジェクトや国際NGOの運動により代替作物の導入が進むと次第にケシ畑は姿を消していく事となります。
ところが2000年代になると、タイは薬物の生産地ではなく薬物の世界流通の中継地となっていきます。隣国ラオスやアフガニスタン、ミャンマーで生産された薬物は、タイを経由して世界各国に流通するようになります。薬物も阿片だけではなく、覚せい剤、コカイン、ヘロインなどと、その種類も豊富になっていきます。これを問題視したタクシン首相は2003年に麻薬一掃作戦を展開し、現在のフィリピン・ドゥテルテ大統領顔負けの強硬な姿勢で国際社会が人権問題との声を上げる事となります。
しかしこの時の方針は現在の政府でも引継がれており、タイでは薬物に関しては厳罰が処される事となります。タイの刑法では、薬物犯罪に関しては以下のように定められています。
いずれも死刑が待っています。実態として懲役3~5年の判決となり、初犯であれば執行猶予がつく日本と比べると格段に重い刑罰が下されます。(と、言うか日本が甘すぎるのですが)
このように当局が厳罰方針を堅持しているにも関わらず、冒頭のような事件が発生すると言うのは、タイの薬物に関する闇の深さを感じざるを得ません。
日本が甘すぎるのは私も思いました。
母国だと商売として扱ったら死刑ですが、日本に来てやってもせいぜい国外退去だしねぇ・・・なん話を聞いたことがあります。
でもフィリピン位徹底してやったらどうなっちゃうんでしょうかね?
餌釣師さん
今年も芸能人の薬物に関する報道が相次ぎましたが、その裁判結果を見ても甘いなと思ってしまいます。フィリピンのケースが極端ですが、その主張には一理あるとは思います。
私のかかわった2国も死刑が絡んでいます
タイの場合は
半島の上の方への移送も現実問題かなりの量だったようですし
ラオスミャンマーからの便でやって来たかの国行きの貨物は
タイに入国しないので税関はスルーです
他国への荷物なので
中継地のタイとしては経費をかけて検査はしませんからね
あさとさん
空路移動でバンコクでトランジットするケースではご指摘の通り、タイ当局はスルーでしょうね。問題は陸路で入って来るパターンで、入ってきた量≠出ていく量 と言う事ですね。何処の国でもこういうものを使って金儲けをしようという輩はいますからね
あの俳優さん、好きだったのに。
皆さんの仰るとおり日本が甘すぎるのかもしれません。
もしかしたら最大の買い手市場になっていたりして。
なぜそれに気がつかないのでしょうかね?
いはちさん
今年は大麻の合法化を求めて選挙に出た元女優なんかも話題になりましたが、やはり薬物に関しては厳罰で臨むしかないと思います。日本は薬物犯罪に対する処罰も甘いので国民の薬物に対する意識も低いように思います。