TM.30

現在、タイには6万人を超える日本人が居住していると言われています。そんなタイ在住の日本人の間で最近ちょっとした問題が発生しているようです。それがTM.30問題です。

1979年(仏暦2522年)に制定された、タイの入国法では以下の規定があります。

 第38条 戸主又は家の所有者又はホテルのマネジャーは、滞在許可を得た外国人を宿泊させた場合は、所在地の管轄入国管理事務所の担当官に対し、24時間以内に届出を出さなければならない。
 入国管理事務所が位置しない地域は、管轄の警察署に対し届出を出さなければならない。
 (アパート等の場合はオーナーが行う。オーナーへの通報が必要。)

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この規定によれば、外個人を宿拍させる場合は、法人・個人を問わずに24時間以内に管理者またはオーナーが警察に届け出なければならない事になっています。届出を行わず違反した場合は、建物の持ち主に対して10,000THB以下の罰金が科せられます。ところがこの法律は全く機能していないものでした。毎日大勢の外国人を宿泊させているホテルはそんな届出を行っていませんし、小生が民泊したイサーンの家主もそんな事はしていません。

しかし最近になりタイ当局は外国人の宿泊申請をした際の控え(通称、TM.30)がないとビザの延長を認めないと発表したのです。短期滞在の旅行者なら問題になりませんが、この影響をまともに受けたのが、タイ国内に在住する外国人です。なにせタイ人にも知られていない法律ですので外国人に家を貸している大家さんも、そんな申請はしていません。

ビザの延長申請に行ったものの、TM.30がないことから延長を拒否され慌てて大家さんを連れて滞在申請を行ったら大家さんに罰金が科せられたと言うケースが多発しているようです。しかもこの罰金、大家さんは借主にしっかり請求してきます。借主も払わないと家を追い出されるので渋々、大家さんに罰金を補てんしていると言うのが実情のようです。

法律上は罰金の上限は10,000THBとなっていますが、実際に払った人のケースでは1,500~2,000THB位の罰金が科せられているようです。罰金額については規定で決まっている訳ではなく、現場の役人が来た人の身なりを見て決めているようです。このあたりは如何にもタイらしい運用となっているようです。なぜここへきてこれまでこれまで全く運用されてこなかった古い法律の運用を厳格化したのかはわかりませんが、タイに長期滞在を予定している人は注意が必要です。

なお詳しい説明は、チェンマイ総領事館のサイトに、記載がありますので参考にしてください。

4 responses on TM.30

  1. あさと より:

    この法令の厳格化と
    ビザ免除の為の1時外国退出者の再入国禁止と
    ペアで運用されるのかもしれませんね
    実質の不法滞在者防止のために・・・・

    1. ま~く より:

      あさとさん

      一時出国をしての再入国を繰り返す行為については当局は眉をひそめていましたからね。
      現在の軍政下では今までいい加減だった法律の運用を厳格化する動きも多くみられるようです

  2. 餌釣師 より:

    目的は違えど、ルールは中国みたいになりましたね(笑)
    あちらは既にオンラインになっているので一応機能しているはずです。
    まぁあの大きな中国でも出来たくらいなので、タイでも周知徹底させればすぐ対応可能なような気もします。

    1. ま~く より:

      餌釣師さん

      現軍政下になってから本文にも書きました通り法律の運用を厳格化する動きがあるようです。一部の地域ではライセンスを持たない屋台が退去を命じられたりしていると言う話も聴きます。
      とは言えこの動きが長続きするかも微妙かもしれません。特に現在のタイは新国王の即位、新憲法発布や民政移行の準備等変革期にあります。変革の行方によってはまた何か動きがあるかもしれません。


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