限定解除技能審査(二回目) -普通自動二輪免許取得記(小型AT限定解除) Vol.15-

11月29日(日)

審査前

再審査に当たって

二回目となる限定解除技能審査を受けたのは、補修教習の翌々日、最初の審査から1週間後の事でした。何度も落ちると、そのたびに補修教習の教習料と審査料がかかりますので、今度こそ合格したいところです。

審査開始前

二輪の卒業検定・審査の集合時間は11時45分ですのが、11時20分には教習所に到着しました。

いつもは教習所の入り口の前にある駐輪場にバイクを止めていましたが、コースが見える位置に職員のものと思われる旧型PCX(写真、左)が止まっていましたので、並べて止めて審査を見守ってもらうことにしました。集合時間になると、前回同様に事務員が受付けを行い、免許証を受験番号がかかれたジップロックに入れて手渡されます。今回の受験番号は49番です。

12時になると二輪待合室の2階にある応急救護教習室に移動し検定に関する説明が行われました。説明を行ったのは前の週とは違う検定員でしたが、印象的だったのはタイムなんか気にするなとしきりに言っていたことです。二輪の検定・審査では、一本橋やスラロームなど(大型二輪では波状路も)時間が定められた課題がありますが、一本橋から落ちたり、スラロームで止まったりすると検定・審査は即中止となります。だったら多少減点されても、時間なんか気にしないで課題をきちんと終えた方が得策だとしきりに話していました。

この日の卒業検定や審査を受けるのは、前週より少ない12名でした。受験者は以下のようなグループに分けられます。

 A:大型二輪の卒業検定3名
 B:大型二輪の卒業検定3名
 C:普通二輪の卒業検定3名
 D:普通二輪、小型AT卒業検定各1名+審査1名

審査は今回も小生のみでした。小生と同じグループになったのは、小型ATの中年男性と、普通二輪の若い男性で、検定・審査の順番は若い男性がトップバッターで小生は2番目となりました。

限定解除技能審査

最初の受験者

検定・審査では受験者の運転するバイクの後ろを、検定員が自動車で追従し採点していきます。後部座席には次の順番の受験者が乗りこみます。小生の順番は2番目ですので、若い男性の検定の様子を後部座席から見守る事になりました。小生のグループに割り当てられた教習車は、一番乗りやすいと思っている2号車でした。

検定員に促され若い男性がバイクに跨りますが、その際に後方確認が行われませんでした。これは減点要素です。次いでウィンカーを出して発進しようとしますが、いきなりエンストです。減点にはなりませんが同じ場所で、エンストを4回繰り返すと検定中止になります。気を取り直して、エンジンを再スタートさせると今度は無事に発進しました。

最初の課題は坂道発進です。すると若い男性はやたらアクセルを開けてエンジン回転を必要以上に上げています。しかし後退などはすること無く無事に坂道発進に成功します。次いで踏切、信号通過等を行っていますが、この男性は発進の際の後方確認が漏れる事が多いような気がします。

その後は無難に課題をこなして、一本橋(直線狭路台)の課題となります。手前で一旦停止し後方確認を行いスタートしますが、一本橋に乗った瞬間の様子が不安定だなと感じます。すると1メートルも進まないうちに、一本橋から落ちてしまいました。一本橋で落ちてしまうと、一発で検定中止となり不合格です。すると検定員は若い男性の乗るバイクに、車を横付けし「ハイ、不合格」と非情の宣告をしていました。人の不合格を目の前で見るという、気の滅入る体験となりました。

いざ審査

スタート地点に戻り、いよいよ小生の審査が始まります。前回は全く緊張していませんでしたが、今回は2回連続で不合格になったらいけないというプレッシャーからか少し緊張しているのを感じます。大きく深呼吸したところで、検定員の合図がでましたので乗車します。乗車手順をイチ、ニ、サン、、、と確認しながら行っていきましたので、この時点では減点はないはずです。

スタートして最初の課題は坂道発進ですが、何の問題もなくクリアします。次に信号を通過し一時停止の交差点で一旦停止します。安全確認の後、再スタートしますが、2・3メートル進んだところでエンストしてしまいます。どうやら1速ではなく2速で発進してしまったようです、バイクは惰性で進んでいましたので、そのままエンジンをかけ直してギアを1速に落とします。足をついていませんので審査中止にはなりませんが減点されたかもしれません。

その後、踏切を通過し、信号、見通しの悪い交差点を通過し一時停止です。みきわめの時に、無視してしまった一時停止ですがしっかり止まります。次の課題は一本橋です。前の受験者の嫌なイメージが残りますが、小生自身は普通二輪の教習では殆ど失敗したことがない課題です。練習ではギアを1速に入れ、クラッチを完全につないだ状態で行う事が多かったですが、この日は半クラッチで少しアクセルを開けて進み無事クリアします。

つづいては急制動です。補修教習で「急制動は急ブレーキではなく、目的の場所に安全に止まる課題だ」と言われたのを思い出し、きちんと11メートル地点に停止します。検定員が停車位置を確認し、再スタートして直後の課題はS字です。3時間目の教習では少し苦労した課題ですが、練習を重ねた今ではなんてこともありません。ギアを2速に入れブレーキなしで通過します。

S字の次に待ち構えているのは、前回の審査で失敗したクランクです。やはり補修教習でやったことを思い出し、ギアは1速で半クラッチで進みます。補修教習でやった通りきちんと速度をコントロールする事ができ、こちらも無事にクリアです。

最後の課題はスラロームです。これが終われば後は出発地点に戻るだけです。ギアを2速に入れ、スラロームのコースに侵入します。パイロンを1つ、2つと無事に通過しましたが、そこで異変を感じます。バイクが失速しているのです。コンパネを見ると、ギアがニュートラルに入っていることを示す「N」のランプが光っています。「ギアが抜ける」という事象が発生し、2速に入っていたギアがニュートラルに入ってしまったようです。

足をついて止まってしまうと審査中止ですので、急いでギアを2速に入れ直し、残りのパイロンをクリアします。しかし、スラロームの途中で失速しましたので規定時間超過の減点になったものと思われます。規定では8秒以内に通過しなければならないスラロームですが、1秒オーバーごとに5点の減点となります。もし10秒かかっていたとすると減点は10点ですので、決して小さくない減点です。その後、スタート地点に戻り、乗車時と同じようにイチ、ニ、サン、、、と降車手順を確認しながらバイクを降り、この日の審査は終了となりました。

3番目の小型ATの検定が残っていますが、小生は検定員からプロテクタをはずし応急救護教習室に戻るよう指示されます。

審査結果

講評

応急救護教習室に戻ると、時計は13時20分を指していました。その時点では、大型二輪の受験者の2名しか戻ってきておらず、普通二輪の卒業検定を受けた人は誰も戻ってきていませんでした。しかし時が進むにつれ次第に受験者が戻ってきます。受験者は合格発表前に、検定員に一人づつ室外に呼びだされ検定内容に関する講評を聞くことになります。前週や小型ATの時の経験では、合格者は室内に戻ってきますが、不合格者は呼び出される際に荷物を持ってくるよう言われ、講評が終わると部屋には戻らず、そのまま退出します。

最初に戻ってきた検定員は、大型二輪を担当して検定員の2名でした。検定員は受験者を1名づつ室外に呼び出し講評を行っていきます。結局、大型二輪の受験者で荷物を持ってくるよう言われた受験者はいませんでした。その後、普通二輪のみの受験者のグループを担当した検定員が戻ってきます。このグループも、荷物を持ってくるように言われた受験者はなく、全員が部屋に戻ってきます。

最後に戻って来たのは小生の審査を行った検定員です。まず、最初に受験した若い男性に、荷物を持って室外に来るよう言います。彼は一本橋で落ちて不合格が確定しています。次になぜか小生が順番を飛ばされ、小型ATを受けた中年男性が呼ばれます。荷物を持って来いと言われていませんので、彼は合格のようです。中年男性が戻ってくると検定員は小生に対してこう言います。

 - 受験番号49番の方、荷物を持ってこっちへ来てください。

この言葉を聞いて愕然とします。確かに何度かギア操作に関するミスをしましたが、完走しましたので即審査中止になるような大きなミスがあったわけではありません。となるとスラローム以外でも自分が気が付かないミスを重ねて、持ち点が70点を切ってしまったという事でしょうか。また補修教習と再審査を受けないといけないのか、そう思いながら暗い気持ちで、応急救護教習室を出ます。

検定員の講評ではやはりギア操作の不味さに関して指摘を受けます。ギア操作のミスは自覚している事なので、当然の指摘です。一通り講評が終わると検定員は、意外な言葉を発します。

 - 審査の方の合格発表は、ロビーで行いますので移動してください。

合格発表

ロビーで待機していると5分ほどして年配の事務員がやってきて、小生の名前を呼びます。そして審査の結果は、合格と小生に告げます。審査の合格発表は、ロビーで立ったまま、きわめて事務的に伝えられるという意外なものでした。すると事務員は書類を作成するので、引き続きロビーで待機するよう小生に告げると奥に戻っていきました。

10分ほどすると先ほどの事務員が再び小生を呼びます。最初に入校手続きを行った受付カウンターで、技能審査合格証明書と限定解除審査申請書を渡しながら、免許センターでの手続き方法について説明してくれます。最後に「当校は大型二輪の教習もありますので、是非どうぞ」と、営業されましたが、大型二輪の免許を取ることはないと思います。

通常の卒業検定を受け合格した人は、15時から全車種が一緒に卒業式が実施されるはずです。しかし審査の場合は卒業式はないとの事で、必要書類を貰うとそのまま帰宅となりました。応急救護教習室で合格発表を聞いた他の受験者は小生が不合格だったと思ったに違いありません。

所感

今回は様々な事情があり、「小型AT限定」->「限定解除」というステップを踏んで、普通二輪免許を取得しました。誰かに、この方法がお勧めかと問われれば、即答で「お勧めできない」と答えます。

以前に頂いたコメントの返信でも書きましたが、自動車の免許のみを持っている人が普通二輪を取得する際の最低教習時間は、17時間です。一方で小型ATからステップアップする際は8時間の教習のみです。しかしマニュアル車のバイクの操作の習熟度に関して両者で差があるわけではありません。それにも関わらず、小型ATからのステップアップでは、半分以下の教習時間で同じ技能を習得しなければならないことになります。

その為、教習も駆け足で一つ一つの課題に取り組める時間も充分でなかったように感じます。最後の教習でも「この段階で、そんな指摘をされる?」と思うような事もありましたので、最初の審査で落ちたのも当然だと思います。とは言え、無事に審査に通過しましたので年内に免許センターでの手続きを行いたいと思います。

10 responses on 限定解除技能審査(二回目) -普通自動二輪免許取得記(小型AT限定解除) Vol.15-

  1. 落武者R より:

    合格おめでとうございます!
    今のところマニュアル車を買う予定はないとのことですが、せっかくですので良い出物があれば… とは思います。

    そしてその際には警察署、交通安全協会や二輪車普及協会等が主催する講習会に参加されてからのデビューをお勧めします。

    良いバイクライフを!(^^)

    1. ま~く より:

      落武者R さん

      ありがとうございます。
      そうですね、掘り出しものがあればとオークションサイトや中古バイクサイトを除いたりしています。ただ近距離輸送用に50㏄という選択肢もあるかなと思ったりいろいろ悩んでいます。

      講習会は深川なんかでもあるようなので、興味はあります。可能ならPCXで参加しても良いかなと思っているほどです

      1. 落武者R より:

        PCXでの参加もアリだと思いますよ!
        警視庁のホームページでも色々でていますので見てみてください(^^)

        50ccは2段階右折や速度超過で捕まるとショックが大きいのでやめたほうがいいかと。。^^;

        1. ま~く より:

          落武者R さん

          深川はコロナの影響で中止になっていたりするようなので、落ち着いたら検討してみます。

          あ、50㏄を手に入れてもボアアップして黄色ナンバーにしますよ。おっしゃるように二段階右折は難儀ですから

  2. 鉄路迷 より:

    おめでとうございます。
    「荷物を持って・・・」
    と言われるとドキっとしちゃいますね。
    きっと、周囲の人は「不合格だったんだな」と思われているでしょうね。

    1. ま~く より:

      Dr. 鉄路迷 さん

      ありがとうございます。
      「荷物を持って」と言われた時は、ダメだったんだと思いましたよ。私がいなくなった部屋では、この部屋の人は全員合格ですという話があったはずですので、落ちたと思われているでしょうね

  3. いはち より:

    合格おめでとうございます。
    読んでいてドキドキしましたが、良かったですね。
    大型バイクですか・・60歳を過ぎると乗りたくなるかもしれませんよ。
    私は中型でも満足ですが。
    楽しいバイクライフを。

    1. ま~く より:

      いはち さん

      ありがとうございます。
      乗り物の選択はライフスタイルにもよりますから今後どうなるかでしょうね。子供がもう少し大きくなって遊んでくれなくなったら、状況が変わるかもしれません

  4. あさと より:

    いやはや
    何はともあれおめでとうございます

    この発表のしかたって
    35年前の私の入社の時と似ています
    私は実は会社訪問をして内定をもらってという
    通常の方法の入社ではなかったんです
    3月のある日聞広告応募で
    まだ通信課程で1年以上残ったまま
    卒業していない状況で試験を受けたんです
    その時の試験後の面接で
    3度ほど面接をしたのですが
    落ちた人は
    「本日の交通費の清算をしますので
      別室に移動ください」と移動させられ
    私一人
    「あさとさんは計算がまだですのでそのまま待っててください」
    と待たされました
    そして他の人が移動し終わってから
    役員面接を受けさせられたんです
    そういう合格者だけを別にする方法って
    いろんなところで見受けられるんですね

    1. ま~く より:

      あさと さん

      やはり不合格者が混じっている中で合格発表をするというのは、その場の空気も気まずい感じになりますから、こういった配慮をするところはそれなりにあるのでしょうね。ただ日本人らしい配慮という気もします


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