経営破綻し再建計画策定中のタイ国際航空ですが、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大で停止していた運航を再開する動きが出てきました。
日本路線
2021年1月から一部の定期便の運航を再開する事を発表しました。運航が再開されるのは以下の通りとなります。
【成田便】
TG642 BKK(23:55) NRT(07:40) 火・水・土
TG643 NRT(11:45) BKK(17:05) 水・木・日
【関西便】
TG622 BKK(23:59) KIX(07:20) 土
TG623 KIX(11:00) BKK(15:45) 日
タイに到着した外国人は自費でバンコク都内の宿泊施設に検疫隔離が必要な事もあり、本格的な運航再開は先になりそうです。
タイ国内線
国際線の定期便再開に先駆け、12月25日から国内線の一部の運航を再開する事も発表になっています。同社が国内定期便を運航するのは今年3月末以来で、およそ9か月ぶりです。対象となる路線は以下の通りです
- バンコク - チェンマイ:週三便
- バンコク - プーケット:週三便
タイ・スマイル
ようやくそろりと動き出したタイ国際航空ですが、これに対して活発な動きを見せているのが、子会社のタイ・スマイルです。一時期は全便の運航を停止していましたが、6月に国内線の運航再開し、路線を増やしています。先月(11月)だけでも以下の4路線を開設しています。
- バンコク - ナーン線
- チェンマイ - ナコンシータマラート線
- バンコク - ナコンパノム線
- ウドンターニー - ナコンシータマラート
コロナ禍以前は国内線・国際線併せて10機を運航していましたが、現在では国内線のみで14機を運航しています。タイ国内の航空需要はそれなりにあるようです。
こうしたことを受けハブ空港としているスワンナプーム国際国際空港ではチェックインカウンターを拡充し、さらには一部の路線でドンムアン国際空港を利用する計画も持ち上がっています。
ただタイ・スマイルに関しては経営効率化の観点から、タイ国際航空に吸収する案もあり、今後の行方は親会社の再建計画にも左右されそうです。
経営状況は?
運航再開の動きが広がるタイ航空業界ですが、その経営状況となると各社で厳しい状況が続いています。今年1~9月の各社の決算状況を見ると以下のようなものとなっています。
【タイ国際航空】
売上高:442億2000万バーツ(前年同期比-67.8%)
最終損益: ▲495億5200万バーツ
【バンコクエアウェイズ】
売上高: 81億9640万バーツ(前年同期比-60.1%)
最終損益: ▲49億1800万バーツ
【タイ・エアアジア】
売上高: 120億7870万バーツ(前年同期比-61.0%)
最終損益: ▲36億4960万バーツ
【ノックエア】
売上高: 48億2770万バーツ(前年同期比-47.7%)
最終損益: ▲39億3600万バーツ
各社とも売上を大きく落としており、損益も大幅な赤字となっています。現段階ではタイ国際航空とノックエアの2社が会社更生法の適用申請をしていますが、さらに経営破綻する会社が出てくるかもしれません。