エンジンオイル交換サイクル
PCXを購入した際に受取った取扱説明書には、エンジンオイル交換のサイクルに関して以下のように記載されています。
- 初回:1,000km または 1ヶ月
- 以後:6,000km または 1年ごと
エンジンオイルはエンジンにとって血液とも言われる重要なものですので、小生はメーカ推奨のサイクルよりも短い以下のサイクルで交換することと決めていました。
- 初回&2回目:1,000km
- 3回目:3,000km
- 以後:5,000km
こうすると5,000kmごとと切りの良い走行距離でのオイル交換になりますので、オイル交換サイクルの管理も簡単になります。
12ヶ月点検時
先日の12ヶ月点検に出した際の走行距離がちょうど、5,000kmを超えた所でした。前述の交換サイクルを考えると、ちょうど交換時期でしたので、12ヶ月点検の作業と併せてオイル交換もお願いしようかとも思いました。ショップでのオイル交換工賃は1,500円ですし、オイルの値段を考えても高いものではありません。しかし、ある考えが浮かび依頼しませんでした。
12ヶ月点検に出したバイクショップでは、ホンダ純正の「E1」というオイルを使用しています。これはPCXの説明書にも推奨オイルとして記載されているもので、以前に自分でオイル交換した時も小生が利用したオイルです。ただ残念ながら最低限の性能しかないとも言われています。冬を迎え夏場は55km/Lを誇った燃費も、46km/L ほどに落ちてきましたので、別なオイルを使用しようと思ったのです。
ホンダの純正オイル
ラインナップ
別なオイルを使うと言っても、純正オイルを使おうという考えは変わっていません。ホンダが4サイクルエンジンのバイク用に販売している、エンジンオイルは8種類のエンジンオイルがあります。
基本的に、アルファベット一文字と数字一文字の組み合わせで、製品名になっていますが、同じアルファベットと数字の組み合わせでも特性の異なるものがラインアップされています。
JASO規格の分類
日本自動車規格では、エンジンオイルの特性について、「MA」「MA1」「MA2」「MB」という表記で示すことを定めています。これはMAグレードは高摩擦特性で滑りにくく、MBがグレードは低摩擦特性でよく滑るというものです。
バイクは自動車とは異なり、エンジンだけでなくミッションやクラッチなどもエンジンオイルで潤滑されています。エンジンの保護にはよく滑る方が良いのですが、ミッションやクラッチは滑ってしまっては困ります。そのためマニュアルのバイクに関してはMAなどのオイルが推奨とされることが多いです。
一方でクラッチやミッションのないスクータの場合は、低摩擦性能を重視した方が良いという事になります。これを勘案しJASO規格の表示でエンジンオイルの適性を考えると以下のようなものになります。
- MA:マニュアルのバイク向け
- MB:スクータータイプのバイク向け
PCXはクラッチやミッションのないスクータタイプのバイクですので、MB分類のエンジンオイルである「S9」二つが採用候補となります。
オイルの粘度
「S9」のオイルには2種類がありますが、その違いはオイルの粘度(硬さ)です。オイルの粘度に関しては、二つの数字の組み合わせで以下のように示されています。
ハイフンの前は数字と「W」がついています。「W」はWinterの略で数字が10、5、0と小さくなるにつれ低温で固まりにくい特性を持っています。0Wは零下35度、5Wは零下30度、10Wは零下25度まで使用可能です。そのため冬の時期は低粘度のオイルに変えるというライダーもいます。一方でハイフンの後ろの数字は、高温時(100℃)における粘度を表します。数字が高くなるほどオイルが固くなることを示しています。
PCXでホンダが推奨している、「E1」の粘度は10W-30です。そこで今回は「S9」の中でも粘度が同じ、10W-30の方を選ぶことにしました。
「E1」と「S9」の違い
では今まで使っていた「E1」と今回使用する「S9」では何が違うのかについてみてみます。その違いはベースオイルの違いです。「E1」が鉱物油となっているのに対し「S9」は部分化学合成油となっています。
エンジンオイルの種別には大きく3つあり、それぞれ以下の通りとなっています。
【化学合成油】
原油に高度な精製を処理を行い、限りなく不純物を排除した高純度オイルとなります。耐熱性の高さと寒い時期のエンジン始動性が良いことが特徴です。しかし精製にコストがかかるので、商品価格も高めです。
【鉱物油】
原油から不要な有害成分などを最低限取り除き精製されたオイルです。精製が容易なことからコストパフォーマンスに優れますが、性能面では化学合成油、部分化学合成油には劣ります。
【部分化学合成油】
鉱物油や高度水素分解油に化学合成油を混合したオイルです。化学合成油の性能と鉱物油のコストパフォーマンスの2つのメリットを両立したオイルで、鉱物油のデメリットである揮発性の高さや冬の始動性を化学合成油で補っています。
今回は鉱物油から部分化学合成油に変えることでエンジンの始動性の向上も、狙えそうです。
いざオイル交換
実際のオイル交換は1月某日、暖かい日を選んで行いました。
左が以前に使用したE1、右が今回使用したS9です。交換作業の様子は以前にも記事にしましたので、割愛します。
実際に交換後に乗ってみた感想ですが、高回転時のエンジンの回転がスムーズになって気がします。また以前はアイドリングストップからの再始動時に、プスッと言って再始動にもたつく場合がありましたが、そういったケースもなくなりました。
燃費面での変化は今のところはわかりませんが、こちらも改善してくれることを期待したいです。
もちろん私にはコメントできるだけの力は全くありませんが
駆動部分の潤滑油ということですよね
エンジンのピストン?なんか
間違いなくオイルの性能で燃費や速度が変わってきそうですね
あさと さん
PCXのように小排気量のバイクですとオイルが走行に与える影響は分かりにくいところもありますが、大排気量のバイクですと差は大きいと思います。オイルの品質もありますがこまめな交換も大事になってきます
私は以前まで乗っていた軽自動車には100%化学合成のオイルを
使用していました。
結果・・これが奏したかは定かではありませんが・・
35万キロまでエンジントラブル等は無く、普通に走る事が出来ました。
5000キロで変えるのは正しい判断ですね。
8000回転以上回さないのであれば、部分合成でも十分かと思います。
いはちさん
スポーツタイプの自動車に乗っていた時はエンジンオイルもこだわって選んでいましたが、ファミリーカーに乗るようになってからは自動車のオイル交換は車検の時に車屋さん任せで交換するようになってしまいました。
馴染みの車屋さんでオイル交換するとタダでやってくれるんですよ。まぁ安いオイルだと思いますが
4ストスクーター向けのエンジンオイルで100%化学合成油というのは殆どないんですよ。私の知る限りELFで出している位でしょうか?