タイの新型コロナウィルス(COVID-19)状況(2021年7月版)

タイの新型コロナウィルス(COVID-19)感染状況

デルタ株の流行

各国でデルタ株(インド型)の流行が広まっていますが、タイでもその状況は同様です。ここ数日はタイ全土で10,000人弱の新規感染者が確認され、医療機関のひっ迫は危機的状況となっています。こうした状況を受けスワンナプーム国際空港に完成したサテライトターミナルを臨時の病床にしたりしていますが、なかなかひっ迫は改善しません。

また以前は新規感染者はバンコクが中心でしたが、地方にも広まっているのも深刻です。そのほか刑務所内で集団感染が発生し、劣悪な環境も相まってなかなか収まらない状況になっているのも深刻です。

ロックダウン

こうした状況を受け、タイ政府は、バンコク首都圏の1都5県(バンコク、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットサコン、ナコンパトム、サムットプラカン)で12日から都市封鎖(ロックダウン)を行う事を発表しました。その内容は以下の通りです。

  • 7月12日から少なくとも14日間、対象地域では21時から翌朝午前4時までの時間帯における、住居からの外出禁止。また不要不急の越境移動の自粛を求め、当局による人の移動の厳格な管理を実施
  • 店内飲食を禁止し飲食店は持ち帰り営業のみを認める。営業時間は20時まで
  • 百貨店、ショッピングセンター、コミュニティモール等の営業時間を20時までとし、施設内のスーパーマーケット、衛生・医薬品、DIY用品、金融機関、情報通信機器、郵便・配送、修理・修繕といった分野の店舗のみ営業を認める。
  • 定期市場、ナイトマーケット等は営業時間を20時までとする。コンビニエンスストアに関しては、20時から翌朝午前4時の間は閉鎖。
  • 屋外の公園、運動場、競技場の営業時間を、20時までとする。
  • マッサージ、スパ、美容医療機関等は原則営業禁止
  • 新型コロナ感染症の最高厳重管理地区に指定している首都圏の1都5県と深南部4県(ナラティワート県、パタニー県、ヤラー県、ソンクラー県)では、午後9時~午前4時の外出、5人以上の集まりを原則禁止する。
  • 学校、教育機関等は、原則遠隔授業を継続して適用する。
  • 政府機関、企業は可能な限り在宅勤務とする。
  • 公共交通機関の運行は午前4時から午後9時まで。

航空便への影響

こうした事態を受け、タイエアアジアでは国内線全便を、バンコクエアではバンコク~サムイを除く国内線全便を7月末まで運休する事を発表しています。

ワクチン接種

タイでこれまで接種されたワクチンは中国・シノバック社製62.6%、英アストラゼネカ社製が36.8%となっています。先行して医療従事者が主にシノバック社製のワクチンを接種してきました。ところが4月~7月の間に新型コロナウィルス(COVID-19)感染者となった医療関係者880人うち、707人がシノバック社製のワクチンを接種していたとのことが大きな話題になりました。

タイ政府ではタイ王室傘下の製薬会社サイアムバイオサイエンス社が今年6月から国内生産しているアストラゼネカ社のワクチンをワクチン調達計画の頼みの綱としていました。しかし何らかの原因で供給が安定せず生産が軌道に乗っていないようです。先日は日本がタイにアストラゼネカ社製のワクチンを贈ったことが大きく報道されたのは記憶に新しいところです。

ただ国民の中にもワクチン接種を不安に思う人も多いようで、そんな事も接種加速の足かせになっているようです。

外国人観光客受入れ

そんななか外国人観光客を受け入れる動きも加速しています。

プーケット・サンドボックス

以前にも記事にした、プーケットに限定しワクチン接種済の外国人観光客を受け入れる「プーケット・サンドボックス」が7月1日から運用開始となっています。これまでのところ一日平均で300~400人の外国人がプーケットに入島しています。

これまでの入国時の検査や入国後の検査で数名の新型コロナウィルス(COVID-19)感染者が判明していますが、タイ全体の感染状況を見ると少ないと言えるかもしれません。とは言え、今後の経過は注視する必要がありそうです。

また7月1日の段階では、日本は感染低リスク国に入っていませんでしたが、7月8日になり対象国リストが更新され日本からもプーケット・サンドボックスの利用が可能となりました。しかし日本ではまだワクチン・パスポートの発行が行われていませんので、利用には大きな障壁と言えそうです

サムイ・プラス

プーケット・サンドボックスと同様の試みをサムイ島にも適用する「サムイ・プラス」というプログラムも7月15日から開始されます。仕組みはプーケット・サンドボックスと同様で、対象国リストには日本も含まれています。

先は長そう

昨年暮れまでは新型コロナウィルス(COVID-19)の封じ込めに比較的成功してきたタイですが、なかなか大変な状況になっています。我が家も安心してタイに行けるのは、まだまだ先の事になりそうです。

6 responses on タイの新型コロナウィルス(COVID-19)状況(2021年7月版)

  1. 鉄路迷 より:

    あらー、
    タイの長距離列車は夜行列車がほとんどなのに、これではほとんど運休になっちゃいますね。
    プーケットは例外で外国人の受け入れを継続しているんですね。
    日本人が行く手段がないですけど。

    1. ま~く より:

      Dr.鉄路迷さん

      タイでは昨年12月になって感染者が急増したのを受け、タイ国鉄は今年の1月に57路線で運行休止との報道がありました。その後にどうなったのかの続報がありませんが、運休が継続しているものと思われます。

      タイとしては日本人の受入れも可能にしてはいるのですが日本では入国条件となるワクチン接種が進んでいないので、事実上、入国は不可能ですね

  2. あさと より:

    今現在タイに行くかも・・・というチケットは保持していませんが
    来年2月には行くかも・・・休暇は準備しています
    しかし発券に踏み切っていないのは
    もはやバンコク逆往復のチケットは持っていませんので
    日本発の特典航空券を使う予定なのですが
    特典航空券(ビジネスクラス)の空席が
    閑散期である2月下旬・・・・ほとんどないからなんです
    皆さんそのあたりに狙いを定めているのかもしれませんね

    タイの場合
    表の観光産業と裏?の観光産業がありますね
    それはだれがどう否定しようとも否定することができない事実ですが
    コロナ復活後
    どのように変わるか大変興味深い所でもあります

    1. ま~く より:

      あさとさん

      タイでは日本よりもワクチン接種が遅れていますし、中国製のワクチン接種者で感染者が増えていますので、来年2月頃ですとまだ微妙かもしれませんね。

      これだけ長い期間にわたってコロナの影響が続いていますので、観光業も様々な変化があるでしょうね

  3. いはち より:

    先ほどのニュースで見ましたが
    バンコクではすごい状況が続いているようです。
    直接観光地に行く便があれば良しとしているのでしょうか?

    1. ま~く より:

      いはちさん

      とうとうタイでは一日当たりの感染者の数が10,000人を超えて来ました。おかげでロックダウンは強化、国内線全便も運休となってしまいました。なかなか大変な状況が続いているようです


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